キノの旅 the Beautiful World

発売日 : 2000/07/25
世界は美しくなんかない。
「キノはどうして旅を続けているの?」 「ボクはね、たまに自分がどうしようもない、愚かで矮小な奴ではないか? ものすごく汚い人間ではないか? なぜだかよく分からないけど、そう感じる時があるんだ……でもそんな時は必ず、それ以外のもの、例えば世界とか、他の人間の生き方とかが、全て美しく、素敵なものの様に感じるんだ。とても、愛しく思えるんだよ……。ボクは、それらをもっともっと知りたくて、そのために旅をしている様な気がする」 ―――短編連作の形で綴られる人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。今までにない新感覚ノベルが登場!
  • レーベル: 電撃文庫
  • 定価: 671円(本体610円+税)
  • ISBN: 9784048668491

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みんなのレビュー

  • 昼夜
    2017/11/07
    「ライトノベル、人気」で検索すると必ず出てくるので存在は前から知っていましたがアニメがきっかけで読みました。主人公キノの旅の物語を淡々と箇条書きのように書かれた文章を読んでいると「星の王子さま」を思い出しました。ひとつの国にだいたい3日間の滞在でキノと出会った人たちとの会話を見ていると、あまりに極端な常識と価値観で実際にはあり得ないことなのに日々このことに触れているかのような既視感を感じる不思議さで心がザワザワしました。特に「平和な国」は自分の平和ボケさとパレスチナ問題を想起してチクチクしました。
  • なつくさ
    2019/12/23
    シリーズ第1弾。懐かしい!学校の図書館にあったなあ。キノとモトラド(二輪車)のエルメスの旅を描いた連作短編集。『人の痛みが分かる国』『多数決の国』『レールの上の三人の男』『コロシアム』『大人の国』『平和な国』小学生の自分は何を思ったのだろう?今の自分は顔をしかめて読んでいた。キノとエルメスの会話だけが安全地帯。キノとエルメスの旅はまだまだ続く。2人の旅の果てを見てみたい。旅もしてみたい。世界は美しくなんてない。そしてそれ故に美しい。それの本当の意味が心に沁みると思うから。
  • ソラ
    2018/09/08
    久しぶりに再読。 ライトノベルを読むようになった記念碑的作品。
  • いなり
    2018/12/23
    18年前の古いラノベ第1巻。奥付に70版とあって人気は高い。訪れる国々はいびつに破綻していて現代への風刺とも取れる内容。踏み込みは浅く、あっさりと流して終わる飄々とした作風。他人事に関わろうとしないが、やるときはバッサリと。その辺りの展開が面白い。ドライな孤独感と幻想的世界観が印象的でした。
  • miroku
    2016/06/22
    童話・寓話・ファンタジー・SF。様々な先行作品を咀嚼し、解体し、再構築しオリジナリティを加えて、小説は出来上がる。・・・のだろう。