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のれん2022/06/0510ネタバレあり戦記物として圧倒的満足感。 ベアトリクスを含め皆思想や主義ではない理想に殉じていた。存亡の危機に立ってどう在るべきか。統一か、統率か、どちらにせよ我々は国家のために殉死せねばならない。 ただ生き残ることだけを考えたアクスマンは今作で唯一の現実的な人間であり、それ故唾棄すべき悪党なのかもしれない。 だが人に燃える理想のために戦えることを今作は伝える。演説するカティアが、戦うテオドールが、いやそれ以外の次々と死んだ仲間たちが輝く。彼らの過去の多くは本編では明かされないが、どれも理想のためであった。(1/2)
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無重力蜜柑2022/01/097ネタバレあり傑作。書き切った作者に最大級の賛辞を送りたい。「英雄」を引き継いだテオドール、引き継がせたアイリスディーナ、「聖女」となったカティア、彼らをそこへ連れて行く礎となった666の隊員たち。全員の思いが重なった先に実現した「ベルリンの壁崩壊」という奇蹟。BETAの大攻勢の前に結局東ドイツの国土は消滅し、国民は西側へ疎開することになったもののアイリスディーナが言ったように民がいれば国は再建できる。無謬ではないが最善の結末の一つに辿り着けたと思う。終盤に西側の衛士が続々と駆け付けるシーンは3巻以来の胸熱だった。
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シャルシェ2015/09/217ネタバレありグレーテル生きてて、えぇぇ!とか言ってしまったのは内緒。BETAに勝つとか負けるとかではもはやなく、そばにいる人たちと手を取り合って、希望を持って進む……満足できるラストでした。一方で、シュタージや大国の様々な思惑があって、「わからないでもない」と思いましたが、ベアトリクスの理想ではあそこが限界だったのでしょう……。難しいところです。全編通してすごく重たかったですが、互いの正義がぶつかり合い一歩も引かないこういう物語はやはり面白いものです。良い最終巻でした。
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ウラー2016/02/096★★★★★シルヴィアが死にました。クリューガーも死にました。アイリスディーナも死んでしまいました。でもこれは、大変前向きで希望溢れる最終巻です。革命は成り、人々は救われました。そしてなによりすばらしいことに、戦いを生き抜いた人がいて、彼らが正当な評価を受け、過酷な状況下ではありつつも幸せを掴んでいることです。オルタのラスト、命の散り際の輝きに感動しつつも、彼らの頑張りが評価されることなく、彼ら自身が幸せになることなく終わったことに違和感を覚えたのは私だけではないはずです。柴犬はそうではありませんでした。→
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sabaKAN2014/05/016彼らが絶望の淵からぎりぎりで立ち上がる姿を見る度に、熱い気持ちで胸が一杯になりました。シリーズを通して素晴らしい作品でした。ただただ、作者に感謝を伝えたい。この何年かの内に私が追いかけたシリーズの中でも一番素晴らしい作品でした。ありがとうございます。次回作も期待しています。
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