三日間の幸福

発売日 : 2013/12/25
いなくなる人のこと、好きになっても、仕方ないんですけどね。
どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。
 未来を悲観して寿命の大半を売り払った俺は、僅かな余生で幸せを掴もうと躍起になるが、何をやっても裏目に出る。空回りし続ける俺を醒めた目で見つめる、「監視員」のミヤギ。彼女の為に生きることこそが一番の幸せなのだと気付く頃には、俺の寿命は二か月を切っていた。
 ウェブで大人気のエピソードがついに文庫化。
(原題:『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』)

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みんなのレビュー

  • た〜
    2014/01/02
    【ストーリー重視型】三日間の幸福については一切描かれていない。物語の前半は読むのが辛いほど救い様がない展開。だがいつの間にか幸福に過ごしていたことに気づき、はたから見れば滑稽な行動をするうちその幸せを確かなものにしていく。結末はすっかり読めてしまうけれど、それでもその結末に納得してしまう説得力がある。メディアワークス向きのストーリーであり映画向きのストーリーでもある
  • 扉のこちら側
    2018/06/29
    2018年233冊め。無気力系で周囲からの人望もない主人公に最後まで心寄せることができずに読了。最後の三日間という設定や、物語のプロットは面白いと思うので好みの問題であろう。致死率100%の人間の寿命をそれでも売買するという超越した存在は何なのかと気にしてしまうのが私の駄目な点だったろう。
  • giant★killing
    2015/09/25
    単巻で考えると今まで読んできた小説の中で一番好きかもしれない…。内容は主人公クスノキは二十歳にして既に自分の今までの、そしてこれからの人生に絶望していた。そんな中、寿命を買い取ってくれる店の話を聞き興味本意で査定してもらうと、なんと彼の人生はたったの三十万円の価値しかなかった!半ば自暴自棄気味に寿命の大半を売り払ったクスノキは残り三か月を監視員ミヤギと共に過ごすことになるが…。誰にも愛されず記憶されず三十年と三か月をのうのうと過ごすか、ほんの少しだけの、でも確かにささやかな幸せがある三か月を過ごすか…。→
  • いつでも母さん
    2020/05/11
    若い頃は20年も30年も先のことは考えられなかった。あっというまで今、老いた母を自分の将来の姿なのだと見るー 金欠で寿命を1年1万円で買い取ってもらったクスノキと、残りの人生の監視人ミヤギとの関わりを描いた本作。お初の三秋さん息子の本棚から読んでみた。幸福ってなんだろ。幸運って。決定的な死の間際に人生の美しさを知るのか。その最後の三日間、クスノキとミヤギは二人史上最高の幸福な時間なのだね。『幸せは自分の心が決める』が常に胸にある私だが、そろそろ私の寿命も誰か買い取ってくれないだろうか。
  • ハッシー
    2017/01/31
    【消え入りそうな儚い文章】 ▶三秋さんの物語はどれも切なく、ハッピーエンドを向かえない。かといって、バットエンドからはもっと遠く、心の中でいつまでも物語の残響が鳴っている感覚に陥る。 特に目的や意味がなくても、生きる空しさ、生きてしまえるもの悲しさが伝わってくる作品です。 読了後には「気持ちのいい喪失感」が残りました。