黒百合の園 わたしたちの秘密
発売日 :
2013/12/25
万引き、レイプ、殺人……。闇を抱えた少女たちを描く
お嬢様ばかりが通う、華百合女子高等学校。華やかな花園のように思えるが、心に闇を抱えた生徒たちが大勢いる。万引き、同性愛、レイプ、殺人……黒く染まった美しい少女たちを生々しく描いていく問題作、登場!
- レーベル: メディアワークス文庫
- 定価: 693円(本体630円+税)
- ISBN: 9784048662710
メディアワークス文庫の新刊
みんなのレビュー
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黒瀬2020/04/19129夢中で読み耽り、結末にゾッとしました。名門女子高で起き、闇に葬られた罪の数々。スクールカースト、マウントの取り合い、通り魔殺人の犯人、秘密の同性愛と性犯罪、そして入念に準備されたはずの復讐劇が人間の黒い感情と複雑に入り組んでミステリ風味に仕上げられています。 青春とかけ離れた群像劇は章ごとに視点が入れ替わり、時系列を前後して描くことで同じシーンでも情報量や捉え方が段違いになり、新鮮味に溢れていました。 さまざまな感情の色を混ぜ合わせて作られた黒は純粋培養の同色よりも禍々しく、おどろおどろしい。
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うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)2014/07/2772ネタバレあり事件に巻き込まれ記憶を失った蓬莱みすず。退院し学校に再び通い始めて8日目、教室に置いてあった彼女の体操服が何者かに切り刻まれていて・・。この黒さいいですね。一見、秩序が保たれているようで、その均衡はとても危ういもの。様々な思惑、妥協が絡み合って現在の勢力図となっている。その危うさが思春期ならではの彼女たちの危うさに重なって見えました。誰もが被害者であり加害者でもある。全くの善人がいないところが逆に人間臭くて良かった。★★★★
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おかむー2015/02/2753内容、展開、仕掛けは面白い、でも切り替わる主観がわかりづらい、文章に挿入される補足文で流れが切られるなど、読みづらさが難。『もうすこしです』。名門女子校の華やかさに隠された生徒同士の反目、嫉妬、恨み、格差がついには殺人にまで発展する。その犯人と複雑に絡み合う事件の真相とは。ひとつの場面をそれぞれの登場人物の視点で多面的に描く事によって物語に厚みをあたえてゆく手法が特徴的ではあるが、真相が明かされる終盤でかなり持ち直すものの、そこへ至るまでのとっちらかった文章がネックとなりスッキリとはいかないところが残念。
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ひかはる2019/05/1639友情、愛情、独占欲、窃盗、強姦、殺人…醜いものがごちゃ混ぜになった女子高での事件の話。みんながなにか歪んでいる。それは家庭のせいだったり、級友のせいだったり。 こんな日常から離れたドロドロの本もたまには読んでみたいなと思って手に取りました。案外とても楽しんで読めました。一体誰が正常なんだ
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カナン2015/09/0534読みにくい。が。ヒエラルキーの描き方としては楽しめた。消去法を用いれば誰が黒幕かはある程度絞り込めてしまうのだが、いい具合に狭い世界で、いい具合に歪んだ性格の少女たちが、品行方正という仮面の裏でやりたい放題。「嫌いだから極力話さなかっただけ」であって、「話したくないほど嫌いだっただけなのに」、実行するとそれはイジメで「私達が加害者になるの?」、「皆を不快にさせているのは相手なのに?」 うーん思春期だねぇ。葵星々は明らかに雑魚っぽく仕上がっててなんとも不憫。利香子が一番好きかな。「―人の不幸が好きだから」。
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