ファンタジア文庫の新刊
みんなのレビュー
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シャル2016/03/177学校というある意味で閉鎖された世界の中、そこに巣食う怪異と、そこで生活せざるを得ない生徒たちの関係。人波の中に居場所をなくし、求めててしまう時、怪異はその心の隙間へと忍び寄ってくる。どれもそんな少年少女の弱さと学校生活特有の閉塞感が強く描かれた話であり、後味のいいものばかりではないが、その特有の繊細さは心に忍び込んでくる。最初の話の毬枝の結末も、最後の話も救いはないが、怪異はあくまで悪意で持ってその背中を押すだけであり、本当の問題は別にあるのがまた救いがない。だからこそカメラの話の結末は僅かな光明である。
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Humbaba2014/05/065辛い現実ではなく、明るい夢を見る。そのような逃避も必要なときはある。しかし、夢の世界に逃げるだけでは問題は解決しないので、いつかは現実と向き合わなければならない日がやってくる。それを拒んで夢の世界に住み続けようとすれば、必然的に現実での生活に歪が生じる。
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た〜2012/07/135良い具合にえぐい話の短編連作3話。彼岸花は腹黒なのかただのだだっ子なのか判然としない。続編でるのかな?
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日奈月 侑子2012/06/215地味にはまりこめました。相変わらず竜騎士先生のキャラクターは皆素敵です。最低なキャラだとは思いますが地味に一番最初の先生が好きです。自分的に「真理かも知れない」と思う事も言ってるような気がしますし…。まあでも最低だな、とは思いますが(大事な事なので二回言いました)。竜騎士先生のあとがきの「子供たちを待ち受ける、将来という名の社会は、残酷なほどに異常そのもの。その異常に耐性を得るためにも、学校には毒がなくてはならない」という言葉が印象に残っています。漫画の方にも手を出してしまおうかな、と考えています。
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紅羽2012/01/305ひぐらしやうみねことは毛色の違うタイプの作品ですね。学園七不思議やいじめというものは学校という閉鎖的な空間に有りがちな要素ですが、後者の要素は人間の持つ負の根底に触れたようで、複雑な気持ちになります。その中でも彼岸花や毬枝のような存在には血の通った温かさを感じさせてくれました。毬枝は救われたのかな。これを読んだらゲームをプレイしたくなりました。まだ冒頭部分しか進めてないので、今から楽しみです。
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