バカが全裸でやってくる

発売日 : 2010/08/25
この作品はフィクションであり、実在する作家・小説賞・団体とは一切関係ありません。
バカが全裸でやってくる。僕の夢は小説家だ。そのための努力もしてるし、誰よりもその思いは強い。しかし努力と環境では、才能は覆せない日々が続いていた。お話をつくることを覚えた子供の頃のあの日から、僕には小説しかなかった。けれど僕は天才じゃなかった。小説家になりたくて、でも夢が迷子になりそうで。苦悩する僕のもとにやってきたのは、全裸のバカだった――。大学の新歓コンパ。そこにバカが全裸でやってきた。そして、これが僕の夢を叶えるきっかけになった。こんなこと、誰が想像できた? 現実は、僕の夢である 『小説家』 が描く物語よりも、奇妙だった。

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みんなのレビュー

  • みっちゃん
    2015/07/25
    まるで濁流のような自意識に押し流されそうになる、自らを「小説バカ」と揶揄しながら、どんなに愚かしく見えようとも、イタイと言われようとも、書き続ける。七転八倒しながら、魂を削りとるように、書き続ける。そんな彼らを笑う事など絶対できない。私はただ、息を潜めて見ているだけだった。序盤の「何故に、全裸で登場するの?」という素朴な疑問もラストには、もうどうでもよくなっていた。
  • Tsukamo
    2014/05/06
    ずっと気になっていた作家でやっと読めました。小説家が主人公の物語だったので作者の体験が元になったいるのかと思いましたがどうやらフィクションのようです。章と共に語り手も変わるので少々分かりにくさはあったものの、全裸ではっちゃける小説バカたちの青春が爽やかで最後まで楽しめました。ただあとがきにもあるように『僕』が小説家になれたかどうかが気になるなぁ〜。何回か読み返したい作品です。
  • ひめありす@灯れ松明の火
    2011/11/28
    『逆夢売っておあしをもらっている』五人の人たちのお話。確かに小説を書くという作業はひどく独りきりの様なものに見えて、それにつながる何かがないと、必ず書けない。一緒に考えてくれる人、応援してくれる人、導いてくれる人、見守ってくれる人……必ず誰かに見られていないと、成り立たないものなんだ。心の一番敏感で、一番触れられたくない部分を晒して書くからこそ、同じように人の心の一番敏感な部分を煽りたてて揺さぶる。全裸だって、一人じゃ何も起きない。恥ずかしくもなし、痛くもなし。ただ、寒くて寂しいだけだ。
  • YO-HEY@紅蓮ロデオ
    2010/10/18
    う~…色々と思うよね。俺はこーゆー職業に就きたいって思った事、あります。諦めた理由はまさしくバカじゃ無かったからですね。だから、こーゆーバカな奴らを見ると心の底から羨ましく、心の底から応援したい。それにしても全裸とは良い表現だ。裸の心を、心の妄想を一つ見せつけて評価をもらうんだからな~…そりゃもう普通の全裸よりも恥ずかしいっての。でも、彼らはバカだから。その全裸に光を見るんですよね。俺は光に向かって走る人の給水所にでもなれれば良いっす。俺は月明かり型の人間だって自負があるし誇りがあるからね。
  • 背古巣
    2017/10/26
    これまで読んできた作品とは大分趣をことにする内容でした。軽妙な文章で面白く読みましたが、いまいち良くわかりませんでした。最後の方はちょっと悲しかったです。