Avalon灰色の貴婦人

Avalon灰色の貴婦人

発売日 : 2003/03/01
  • レーベル: MF文庫J
  • 定価: 638円(本体580円+税)
  • ISBN: 9784840107426

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みんなのレビュー

  • 卯月
    2012/10/08
    再読、近未来のネット体感ゲーム〈アヴァロン〉を描く実写映画『Avalon』の、監督自身による後日譚。映画の主人公は東欧女性だが、本書の主人公は日本人男性。映画未見でも理解可能、というかゲーム〈アヴァロン〉の設定に関しては、映画既出の情報しかない(が、文章なので説明は丁寧)。著者の溢れるミリタリー愛と、“野郎の世界”的な日常描写が楽しいので、映画見た人でも読む価値はある。中華料理店の食事狼藉シーン最高(笑)。私はTH64使いのムライがお気に入り。
  • 青味泥シンカ
    2025/07/02
    深夜のテレビで見て以来に惚れ込んだ押井守映画の実質的続編小説。当然何回も再読している作品ですが、ゲーム『ナイトレイン』に近しい感覚を呼び起こされたのを機に改めて。しかし久方ぶりに読み直すと、これほど"男"の作品であったのかと、その噎せ返るような圧倒的語りに目眩さえ覚える羽目になりました。面白くない訳では決してなく、今でも印象は変わりませんが、しかしこの「物語る代わりに薀蓄と描写を積み重ね、以て世界を感じさせる」遣り口、駄目な人は本当に駄目なのだろうなと、今更ながらに理解しました──つまりはそう大好きです。
  • G.G.
    映画のアヴァロンが光と空気と生活の作品だったとすれば、小説版はシステムと蘊蓄と生活の作品だろう。徹底的な銃器と食事の描写が大きな魅力の本作だけど、その背後には「この生活って意外と悪くなくね?」という感覚、あの黄昏の都市とゲームの中で暮らす快楽がある。精緻に解説されるゲームに魅力を感じたなら、実際に「アヴァロン」をプレイしてみたいと思ったのなら、それは実は「作中世界に住んでみたい」と言っているのに近い気がする。この本は銃か飯かRPGか、そして「それらのある生活」が好きな人なら必ず楽しめる異世界なのだ。
  • 北白川にゃんこ
    2015/07/30
    ここはリアルかゲームの中か…。ともあれ膨大な銃の情報がとんでもない。ちょっとしたガンマニアになった気分が味わえます。
  • アーサー・エリス
    2014/07/26
    本編とリンクした、押井守自ら手がける外伝小説。「SAO」や「.hack」のおかげですっかりポピュラーとなったMMOだが、アヴァロンはその先駆にしてフォロワーとは一線を画す雰囲気がある。薄汚れた近未来像は魅力的で、リアルのゲーマー像に近い主要なAvalonプレーヤーの行動・キャラには共感。マニアックな兵器薀蓄やアーサー王伝説の解釈、食事シーン等、押井イズムは小説でも健在。少し衒学的な部分はあるものの、癖の強い他の押井作品に比べればまだまだマイルド。アヴァロン本編で物足りない人は合わせて読むといいだろう。