角川ルビー文庫の新刊
みんなのレビュー
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rabbit2020/09/0912ネタバレありいじめられた過去を持つ卑屈な少年智哉といじめていた張本人広瀬との「刺」と幼馴染みどうしでUFOと遭遇したのをきっかけにエナジーを得るために儀式を行う「悲しきヒーロー」「刺」では、どんな状況でも広瀬の側に寄り添うトモの愛情と愛されたいのに愛された事がない広瀬の最後に見せたトモには生きていて欲しいという愛情の見せ方にグッときました。相対して「悲しきヒーロー」ではコメディタッチで面白かったです。
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IENEKO2012/07/214『棘』の中の個々の行為は明らかに罪。でも、それが連鎖反応する中で生まれた情は、あまりにも純粋で幼くて哀しい。この結末をどう捉えればいいのか、結論はきっと出せない。ただ、作者がこれを書かずにはいられなかったように、この話を読むことで救われる者も確かにいるだろうと思う。表題作を『棘』の後に収録した編集は秀逸。どちらも(親や友人や宇宙人から)搾取された子どもが生き延びるためにもがく話だと思うから。やりきれない結末を迎えた1話目に対し、怒って終わる表題作。『棘』の冒頭で語られるように【怒り】は生きることに繋がる。
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青なし2013/01/302絶版していたが運よく手に入ったので、やったーとばかりに意気揚々と読み始めたが、読み進めるうちにだんだんと軽い気持ちで読める話ではないな…と思った。「棘」の、閉塞的でどこか狂気じみてさえいる愛情(なのかどうなのかは良くわからないが、私の語彙では愛情としか言いようがない)は怖いくらいで、何度も立ちどまってしまった。文章そのものは軽快なのに、広瀬、トモ、鳴海の三人の関係には救いがない。だからこそあのラストなんだろうし、広瀬にとってはあのラストこそが救いだったのかもなと思うが、どうにもツラいなぁ…
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みなと2012/10/092BLとJUNEは何が違うのかずっと考えていたのですが、棘を読んで思いました。愛でふたりが救われるのがBLで、愛ではふたりを救うには足りないのがJUNEじゃないかなと。だから私はJUNEと呼ばれる作品群が好きなのかなとも思ったり。もっと早く生まれてJUNEというものを肌で感じてみたかった。
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あざみ1個人的に外で読めない本ナンバーワンです。同時収録の「棘」が元凶です。本でこんなに涙がでるのかと初めて思った作品です。波長が合いすぎたのかもしれません。
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