12/28(日)まで開催されていた「ライトノベル展2025」をスペシャルな描き下ろしイラストで飾った15作品を、年末年始の毎日ご紹介する特別連載特集!
「名前は知ってたけど、お話は知らないかも……」「気になってたけど、どんなお話なんだろう?」といった未読の方へ、作品の見どころをお届けします。
第13回目はカドカワBOOKSの『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』。本記事を読んで気になった方は、ぜひこの機会に本編をチェックしてみてください!
『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』
(著:依空まつり イラスト:藤実なんな/カドカワBOOKS)
書店にて本作の第1巻を購入して帰宅し、ページをめくり始めておよそ5分後……ラノベコーナーの一角にいたときの自分を恨みました。
「お気に入りになったら次の巻も買おう」なんて思わず、せめてシリーズ第3巻までは買っておくべきだったかもしれない……と。
魔術が息づくファンタジーな世界を舞台にリズミカルに進んでいくストーリーと、生き生きと動き出す個性豊かなキャラクターたち、情景がありありと浮かぶ魔術の描写……どこをとっても魅力的。これはもう、推し作品にせざるを得ません。
第1巻を読み終えた今、既刊10巻を我が家の本棚にそろえる覚悟を決めています。
本作の主人公であるモニカは、わずか15歳にして王国最高峰の魔術師・七賢人のひとりに数えられた天才魔術師。二つ名は「沈黙の魔女」で、人前ではいつもローブを目深に被っています。数学と魔術をこよなく愛しており、恐ろしく正確に、繊細に、そして静かに、魔術を操る姿は人間とは思えないほど――と書くと、いかにもミステリアスでクールビューティー、全方位完璧な女の子のように思われるかもしれません。
確かにモニカは、様々な魔術に精通していて、これまで誰ひとり成し遂げていなかった「詠唱をせずに魔術を使うこと」を達成した世界で唯一の「無詠唱魔術師」です。ゆえに、「沈黙の魔女」と呼ばれています。
しかし、彼女が無詠唱による魔術を会得した理由は、なんと「人前で話したくなかった」から。
努力の方向性が突飛すぎるうえに、それを成就させてしまえるだけの才能をもっているモニカですが、本人には「天才」の自覚は皆無。自分の能力を極度に過小評価しています。
もちろん周囲は天才魔術師・モニカを放っておいてはくれません。様々な事件に巻き込まれ、「ひぃっ……」と半泣きになりながらも否応なしに人と関わることになる姿は、まさに「かわいそうはかわいい」そのもの。モニカが操る洗練された魔術と当人の挙動のギャップにキュンキュンしたり、周囲の人たちに強引に引っ張られて事件に巻き込まれていく姿に「モニカ、頑張れ……!」とページをめくる手に力がこもったり……時間を忘れるほど夢中になってしまいます。
くすっと笑えて、ワクワクしながらページをめくれて、爽快な読後感を味わえる本作。魅力的なファンタジーに没頭したいあなたに、ぜひおすすめしたい1冊です。
読み終えた後は、「早く続きが読みたい!」と思う一方で、とても頑張った(そして、シリーズ続刊でも頑張ることになるであろう)モニカを、存分によしよししてあげたくなります。
なお、1月9日には最新11巻が発売されるので、書店を要チェックです!
文:桜小路いをり

キャラクター紹介
モニカ・エヴァレット
世界で唯一の無詠唱魔術の使い手。史上最年少の15歳で王国最高峰の魔術師・七賢人のひとりとなった天才少女。極度の人見知りで、魔術と数学が心のよりどころ。山奥で隠遁生活をしていたが、ルイスに第二王子を極秘で護衛する任務を押しつけられ……。
ネロ
モニカのペットであり使い魔。普段は黒猫の姿をしているが、人の言葉を理解し、話すことができる。人の姿になることも可能。読書家で、特に冒険小説が好き。モニカのよき理解者となっている。

- ファンタジー
- 学園
- 魔法/魔術
- アニメ化
- サスペンス
- 桜小路いをり
関連書籍
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サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと〈沈黙の魔女〉モニカ・エヴァレット。無詠唱魔術を使える世界唯一の魔術師で、伝説の黒竜を一人で退けた若き英雄。
だがその本性は――超がつく人見知り!? 無詠唱魔術を練習したのも人前で喋らなくて良いようにするためだった。
才能に無自覚なまま“七賢人”に選ばれてしまったモニカは、第二王子を護衛する極秘任務を押しつけられ……?
気弱で臆病だけど最強。引きこもり天才魔女が正体を隠し、王子に迫る悪をこっそり裁く痛快ファンタジー!
【WEBが絶賛した魔女ファンタジーが、大量加筆の書籍版として新生! モニカ・エヴァレットの前に立ちふさがる新たな謎とは――?】発売日: 2021/06/10カドカワBOOKS