2025年に完結した、ファンタジア文庫が誇る大作ファンタジー『伝説の勇者の伝説』。第1巻の発売から約24年もの間、読者に愛されるという正に伝説を打ち立てました。その最後にふさわしく、シリーズ著者である鏡貴也さん、そしてイラストレーターであるとよた瑣織さんのお二人に、読者の皆様から募集した合わせて24個の質問に回答していただきました!
メクリメクルで以前に実施した、座談会企画とあわせてぜひ最後の『伝勇伝』の世界に浸かっていただけますと幸いです。

鏡貴也さんに訊く12の質問
1:もしも異世界転生するなら、伝勇伝のどのキャラになりたいですか?
鏡貴也(以下、鏡):結局ライナになるのかなー?近しい人に聞くと、シオン的なときもあるじゃんと言われるけど(インタビューのときにサオティにも言われた)けど、結局中身はライナな気がします。寂しがり。でもヴォイスにしよう楽しそう。
2:中学生の頃、伝勇伝のアニメから入った25歳です。
伝勇伝はとても魅力的な人物ばかりですが先生の中で特に印象深いキャラは誰ですか?
鏡:みんな大切にしてる。それぞれのキャラクター全員が僕の人生を支えてくれるキャラクターになった。
でもそうだな、リューラに愛されてたことを簡単に受け入れられないライナが、みんなに愛されて人を愛す覚悟を持ったことに僕は支えられてるから、どうだろう。
やはり、ライナ、シオン、フェリスじゃないかな。
ライナに優しくしてくれてる人はそれまでもいたけど彼は受け入れられず。でもシオンがライナを必要としてくれて、でも、二人で世の中の厳しさにさらされて挫折して自分だけが絶望してるわけじゃないと気づき、さらに、愛を知らないライナとフェリスが二人で過ごして、三人で不器用な愛をぎりぎり形作っていくところに僕は支えられてました。
それを取り囲むキャラクターたちも、みんな大好きだし、それを好きだといってくれるみんなが好きです。
3:『とりあえず』シリーズでの短編集も好きだったのですが、
一番書いていて楽しかったのはどのお話ですか?
鏡:えー全部楽しかったよ!なんだっけ、フェリスがおとぎ話を勝手に話してるやつとか書いてて爆笑してた。
3人が責任感なく大はしゃぎで、社会の厳しさを無視してるところが全部好きでした。
4:キャラクターに名前を付ける際に、どのような点を考慮しましたか?
鏡:ラ行から始めました!
ライナ
ルシル
リューラ
リル
レファル
ロがいない気がする!ロが!いるっけ??
意味があるキャラもいれば、響きでやってるだけのキャラもいます!
5:結末っていくつか考えられていたと思うのですが、
バッドエンドもありえたのですか?それともハッピーエンド一択でしたか?
鏡:ハッピーエンドの受け取り方って難しいと思うのです。
例えばキファやミルクの恋愛がうまくいかなかったととらえるのか、そうじゃないのか、みたいなことだけをフォーカスした場合、それを幸せになったとみるのか、そうじゃないと見るのか。
全ての選択肢を伝勇伝は見ることが出来た上に、どうせ全員死ぬとして、、、ということに皆が向き合っていきます。
その世界において、ハッピーエンドというのも、バットエンドというものも存在しない中、それでも自分は何を宣言するかだけが生きるということなのかと、ライナが観念する物語でした。
逃げ切り孤独に死ぬこともハッピーエンドかもしれませんし、失うかも知れないけど大切なものを手に入れることはバッドエンドなのかも知れない。
全てが正解だし不正解だとして。
それでもこれは僕の中でのハッピーエンドにはしたい。
その宣言をしたい!
それを嘘なく真剣に宣言できる僕になりたい、と思って書きました。
6:ライナの誕生日はいつですか?
またライナの好きな食べ物や趣味などパーソナルな情報があれば教えてください。
フェリス「お前の誕生日は私が決めてやったよな。それに感動で泣いていたもんな。さて、いつだか覚えてるか?」
ライナ「えーとー」
フェリス「よしお前の命日は決まった。今日だ」
ライナ「えー」
フェリス「大好物は、だんごです、、、と」
ライナ「あ、そうなんだ」
シオン「俺はハンバーグカレーかなー」
ライナ「あ、俺も」
フェリス「よしシオンの命日も決まったな。今日だ」
シオン「えー」
7:まとめて質問です! ぜんぶ教えてください!!
・伝勇伝で思い入れの深い文章や台詞
鏡:え!無理!
全部本気で書いてるから、全部だよ!!
ライナレポートにしよか。
あれはライナが、ほんとは自分をあきらめられていないというSOSの文章だと思うから。
・とよた先生のイラストで好きな挿絵やデザイン
鏡:全部好き!
でも初めて見たドラマガの絵が好きだったなー。
わー伝勇伝、こう始まっていくんだ!と。
・執筆中の裏話があればぜひ聞かせてください
鏡:伝勇伝は、実は関わってくれた人たちにすごい愛されてて、仲良しのまま完結までいきました。
歴代担当さんたちも、編集長さんたちも、みーんな完結のときコメントくれて、今角川ですごーーい偉くなった人も完結祝いのときに来てくれてて。
なかなかそういうことってないんじゃないかなと思う。
富士見ファンタジアのドラゴンマガジンの絶頂期に長期連載してて、シオンと一緒に徹夜しまくりながら過ごしたのもすごく良い思い出で。
泣いたり笑ったり叫んだりしながら、でも、みんなに愛されてたなと思う時間が過ごせました。
過去を振り返った時に、後悔しない人間関係、時間を過ごせた、というのが、裏話だと思います。
ここには出せない、言えない、熱い話や、仲間を裏切れない!みたいな展開がたくさんありました。
なによりそれを読んでくれるみんなが支えてくれたからそう出来ました。
それが裏話かなぁ。
ちょっとトラブルがあったときも
僕はこんな作風で仲間を裏切ったら、もう書けなくないですか?
と言ったことがあり、それにみんなが助けてくれたこともありました。
やー!
素晴らしい24年でした!
8:エピローグを迎えた世界ではループはどうなっていますか?
またシオンが全員生まれ直していると発言していましたが、どういう構造なのか気になります
鏡:新しい世界に、意識を持ってみんな生まれなおしています。
ライナが解析しきれてる範囲内では、という注釈は付きますが。
ライナは頑張れる範囲では頑張りきっていますが、エラーも起きてます。
あの世界では死んだ人は精霊になり、魔法の媒介になるので、その情報を吸い出して、エネルギー体に記憶を紐づけて世界崩壊を乗り越えたあと再生しましたが、うまくいった部分もあればいかない部分もある、という状態で転生しました。
記憶が人なのか、思いが人なのか、それともエネルギー体が人なのか、そもそも人など幻想なのか、それと向き合いながら、ライナなりの人への愛と執着であの世界へ移動しました。
これが人だとライナが宣言した形になります。
9:鏡先生は魔法や特殊能力よりも人と人が織りなすドラマを重視し書くお方。
そこを承知の上で恐縮です。あえて一番好きな魔法設定を教えてください。
鏡:人のエネルギー体が魔法の基本であり、各国の魔法体系や思想や住居は違えど、全員人は人に過ぎず、その並べ方で現象を起こせる、という設定なんですが長文でそれ説明したら初代編集に没にされました!笑
魔法も含めて人とは何かを表現しているつもりです。
求めるは雷鳴
と、ライナは求めますが、死んだ人間が素になったエネルギー体の移動で現象を起こす、という概念は、生きることを求めることで現象を起こしており、もっとも優秀な魔法使いは、その全てを繋いで、生きることを求めることができる、ということに繋がっています。
生きることをあきらめてるライナが、求めて生み出す魔法が最も得意であるというところを、カッコよくない?と勝手に思っています。笑
言うの恥ずかしいけどね。
求めるは!!!!
10:ライナと出会う前のシオンは何をしていましたか?
鏡:孤独を感じていました。
復讐と孤独を。
それはライナと同じだと思います。
11:伝勇伝以外にも様々な作品を書かれていますが、
伝勇伝を書くとき「だけ」に行っていたルーティーンなどはありますか?
鏡:ライナとシオンとフェリスのバカバカしい掛け合いを書くとテンションあがるというのはありました。
12:作中で特に筆が乗った舞台、章、描写はどちらでしょうか。
鏡:一巻
最終巻
です!
いっぱい答えたー!
みんな、ありがとおおおおおおお!!!
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