12/28(日)まで開催されていた「ライトノベル展2025」をスペシャルな描き下ろしイラストで飾った15作品を、年末年始の毎日ご紹介する特別連載特集!
「名前は知ってたけど、お話は知らないかも……」「気になってたけど、どんなお話なんだろう?」といった未読の方へ、作品の見どころをお届けします。
第2回目はMF文庫Jの『Re:ゼロから始める異世界生活』。本記事を読んで気になった方は、ぜひこの機会に本編をチェックしてみてください!
『Re:ゼロから始める異世界生活』
(著:長月達平 イラスト:大塚真一郎/MF文庫J)
異世界ファンタジー作品のレジェンドとして知られている『Re:ゼロから始める異世界生活』。刊行が始まったのは2014年ですが、本作は10年以上経過した今でも変わらない魅力にあふれています。
最大の魅力と言えるのが、主人公のナツキ・スバルの存在です。彼が異世界召喚された際に授かったのは自身が死ぬ度に時間が巻き戻る『死に戻り』の能力のみで、異世界系作品に多く見られる強力すぎる力というのを持っていません。ある程度体こそ鍛えてはいますが、それも一般人の域を出ません。
そのためスバルがやれることは、読者が「普通の人ってこんなもんだよな」と感じられる範囲に収まっています。そのため、異世界に召喚された時の対応には、しっかりとしたリアリティーを感じます。そして、それだけに件の『死に戻り』によって、状況を打破しようとするスバルの魅力が光るのです。
なにしろ「死ねば時間が巻き戻る」という都合上、スバルは作中で何度も死ぬことになります。そして、死の苦痛自体は決して軽減されません。ナイフで刺されたり、暗殺者に切られたり……痛みすら感じなくなり、意識を失うまでの生々しい描写と共に、スバルは何度も死んでいきます。
しかも死んでやり直せるからといって、必ずしも状況が改善されわけではありません。例えば『死に戻り』した直後にヒロインを名前で呼んだシーンでは、むしろ死ぬ前の記憶が逆効果になって、致命的な失敗を引き起こします。
しかし、そんな恐ろしい目にあってなお、スバルは決して諦めません。死ぬ前に五感を振り絞って周囲を探り、少しでも情報を得ようとします。
読者と同じく一般人レベルの能力しかないのに、何度死の恐怖を体感しても自分を奮い立てて行動し続けるスバル。そんな諦めの悪い彼の姿に、思わず胸を打たれてしまう読者は多いことでしょう。
こう聞くと、なんとも素晴らしい主人公ですが……いかんせん、普段のスバルは明るいお調子者です。おかげで普段の会話劇は、とても明るくてラノベらしい内容になっており、過酷な設定も忘れて楽しめます。
明るい会話劇とシリアスな物語のギャップ、そして『死に戻り』という設定を十二分に活かした主人公像は今でも目新しさを感じます。2026年にはTVアニメ4th seasonも始まる本作、ぜひ原作でも追ってみてください!
文:鈴木伊玖馬

キャラクター紹介
ナツキ・スバル
現代から異世界に召喚された主人公。高校デビューに失敗して引きこもっていた17歳の少年。どこか軽薄だが物怖じしない性格。死ぬと時間が巻き戻る『死に戻り』の能力を駆使し、仲間を救うべく、異世界を奔走する。
???
銀髪にハーフエルフの美少女。大切な徽章を奪われてしまい、その捜索中にスバルと出会う。精霊術師で、子猫の姿をした精霊バックと契約している。徽章の捜索で時間が無い中でも泣いている子どもを助けるなど、困っている人を放っておけない性格。
フェルト
貧民街に住み、スリで生計を立てていた金髪に赤目の少女。身寄りのない孤児だが、したたかに生きるたくましい精神の持ち主で、面倒を見てくれる盗品蔵の主・ロム爺のことは実の親のように信頼している。
ラインハルト
世界最強の『剣聖』として名を馳せる王国の騎士。凜々しい顔立ちに、素晴らしい剣技、正義感に優れるなど、騎士の鑑のような存在。チンピラに絡まれたスバルを助けてくれた際にも、誠実かつ温厚にふるまう完璧超人。

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Re:ゼロから始める異世界生活 1コンビニ帰りに突如、異世界に召喚された高校生・菜月昴。これは流行りの異世界召喚か!? しかし召喚者はおらず、物盗りに襲われ早々に訪れる命の危機。そんな彼を救ったのは、謎の銀髪美少女と猫精霊だった。恩を返す名目でスバルは少女の物探しに協力する。だが、ようやくその手がかりが掴めた時、スバルと少女は何者かに襲撃され命を落とした――筈が、スバルは気づくと初めて異世界召喚された場所にいた。「死に戻り」――無力な少年が手にしたのは、死して時間を巻き戻す、唯一の能力。幾多の絶望を越え、死の運命から少女を救え! 大人気WEB小説、待望の書籍化! ――たとえ君が忘れていても、俺は君を忘れない。発売日: 2014/01/24MF文庫J
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2026/01/02