12/28(日)まで開催されていた「ライトノベル展2025」をスペシャルな描き下ろしイラストで飾った15作品を、年末年始の毎日ご紹介する特別連載特集!
「名前は知ってたけど、お話は知らないかも……」「気になってたけど、どんなお話なんだろう?」といった未読の方へ、作品の見どころをお届けします。
第10回目はMF文庫Jの『ノーゲーム・ノーライフ』。本記事を読んで気になった方は、ぜひこの機会に本編をチェックしてみてください!
『ノーゲーム・ノーライフ』
(著・イラスト:榎宮祐/MF文庫J)
「ゲームがなければ、生きている意味が無い!」。心底そう思うゲーマーならば、きっと理解し楽しめるだろう作品が『ノーゲーム・ノーライフ』です。
一番突き刺さるであろうポイントは、主人公である『 』(くうはく)こと、空と白の存在でしょう。ありとあらゆるゲームにおいて負けなし、チートを使われてもトップの成績を取り続ける謎のゲームプレイヤー。この設定だけでも、ゲーム好きにはワクワクしてしまうはずです。
確かにゲームというのは、現実でいえば遊びにすぎません。しかしゲーマーにとっては自分の心を動かし、時には人生さえ変える存在。それだけにこれほどまで「ゲームが上手い」と言われたら、ある種の尊敬の念を持ってしまいます。
そして、そんな天才プレイヤーたちが召喚された世界が、ゲームによって全てを決定する「盤上の世界」(ディスボード)。人の命や国境線さえ“ゲーム”で決まるこの世界で、空と白は自分たちの能力をフル活用し、勝利を目指す……ゲーマーなら思わず興奮してしまうのではないでしょうか?
とはいえ、本作の魅力が「ゲーマーのロマン」のみというわけでもありません。
例えば、空と白の関係性。才能が無かったが故に、人の言葉や真意を読むことに長けすぎて孤立した空。対照的に、出来すぎた頭と特異な外見から理解者の得られなかった白。 そんな二人ですが、そんな過去を鑑みると、この物語の繊細さというのが浮かび上がってきます。
もちろん、作中における心理戦も見どころです。「十の盟約」に従っていれば、ただのジャンケンでさえ重大な勝負になるこの世界。それだけに、行われるゲームはどれも裏切りと騙し合いが満載。ゲーマーであれば、やはり「どうやってクリアすべきだ……?」と考え込んでしまいます。
こうしてみると、なかなかにシリアスな世界を想像しそうになります。しかし、普段の会話劇はパロディが多め。頭を使いつつも、スイスイ読みられるというのも、この作品の凄さと言えます。でも、そんな何気ない会話の中に伏線やトリックを仕込んでいるので油断できないんですよね……!
ロマンあり、繊細さあり、そうかと思えば笑いもあり。二重三重に読者を驚かせてくれる本作に、ぜひ騙されてみてください!
文:鈴木伊玖馬

キャラクター紹介
空(そら)
白の兄。妹に比べゲームの腕は劣るが、相手の感情を読み取る能力に長けている。そのため、駆け引き、読み合い、揺さぶりあいといった部分に強い。非モテでコミュ障のダメ人間だが、白相手には兄としての振る舞いを見せる。
白(しろ)
空の妹。白髪に赤い瞳をした美少女。世界最高のチェスプログラム相手に20連勝するなど、ゲームの腕は驚異的。召喚されてからも、ルールの決まったゲームにおいては無類の強さを見せる。空のことを心底信用している。
ステファニー・ドーラ
ディスボードに唯一残った人類種(イマニティ)の国のお姫様。先帝である祖父の思いと名誉のため、新国王を決めるギャンブル大会に参加している。しかし感情的になりやすいため、駆け引きはさほど上手くない。

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2025/12/29