SHARE

異世界に転移したおじさんが魔道具技師に!? 趣味も仕事も気ままな独身スローライフ生活を満喫するファンタジー!

ドラゴンノベルス
ドラゴンノベルス
2025/12/08

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はドラゴンノベルスから12月5日に刊行された『独身おじさんの異世界ライフ ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~』(著者:さとう/イラスト:aoki)です。みなさんの感想も聞かせてください!


 異世界転生と聞いて、多くの人がイメージするのは、世界を股にかけた大冒険や転生者たちに対する裏切りや陰謀の数々だと思います。しかし本作で描かれるのは、“おじさん”である織田玄徳の自由気ままなスローライフとなります。

 キャンプで久々のお米に舌鼓を打ったり、出会った冒険者たちと海に行ったり……玄徳の異世界生活は、まるでYouTubeのVlogを見るかのようです。筆者はインドア派の人間ですが、読んでいると思わず「外で遊ぶのも悪くないな」と感じて、次の週末に外出する元気が沸いてきます。

 オダ魔道具開発所という自分だけの工房を得て、前の世界の知識をフルに活かした便利アイテムを次々に作り出す展開も、王道ですがやっぱり異世界スローライフ系作品の醍醐味ですよね。
 一方、自分の携わった商品の品質に問題があるとなれば、決して人に渡そうとしないなど、締めるべきところはしっかり締めてくれるのも玄徳の良いところ。本当にダメな場面ではしっかり自分を律してくれるので、ストレスも全くと言っていいほどなく、最後までさくさくと読み進められました。

 商売人としての優秀さと人の良さ。そんな玄徳の人間性に、好感を抱かない読者はまずいないでしょう。そしてそんな玄徳から得られる安心感こそが、本作の魅力的な部分ではないかと思います。

 そして彼の姿に安心感を抱くのは、作中の女性キャラクターたちも同様のようです。やがて玄徳の周りには、商会長から腕利きの冒険者、伯爵家の令嬢までさまざまな人が集まるようになっていきます。ときには玄徳の思いもよらなかった事態になることも……!?

 たくさんの魅力的な女性キャラが登場する中で、果たして副題の「結婚しません」という宣言は守っていけるのでしょうか? 玄徳の異世界生活にご注目ください。

文:鈴木伊玖馬

ざっくり言うとこんな作品

1)キャンプで食事、みんなで海。さらにはコーヒー片手の一人暮らし。現代人から見てもうらやましい、異世界でのスローライフ生活!

2)玄徳の素朴な人柄と、それに惹かれたキャラクターたちの人間模様が楽しさ満点。時には思ってもいない相手から想いが寄せられることも!?

3)電気工事士の経験×魔法技術による異世界でのアイテム開発が、さくさく快適で気持ち良さ◎。仕事で培った知恵と工夫で、さまざまなヒット商品を作り出す!

主要キャラ紹介

織田玄徳
38歳の電気工事士。子ども時代の経験から、生涯独り身を決め、独身貴族を貫いている。異世界でもその生活は変わらないが、お米が食べられないのは大きな悩み。

サンドローネ
アレキサンドライト商会の商会長を務める才媛。転成した玄徳に目を付け、商品開発を任せる。玄徳と同じく独身主義者。元婚約者からの干渉に辟易している。

シャルリア
クレセント伯爵家令嬢。屋敷にある蔵書を読んでいる内に、冒険者を志すようになった。極度の恥ずかしがり屋だったが、玄徳らとの出会いで変わっていく。

ロッソ
S級冒険者チーム『鮮血の赤椿』の戦士。玄徳との間に素材を納品して、商品を作ってもらう「相互契約」を結ぶ。子どもっぽい天真爛漫な性格。

  • 読書感想文レビュー
  • ファンタジー
  • 異世界
  • 鈴木伊玖馬

関連書籍

  • 独身おじさんの異世界ライフ 結婚しません、フリーな独身こそ最高です
    独身おじさんの異世界ライフ 結婚しません、フリーな独身こそ最高です
    「もういい年なのに、まだ結婚しないのか?」

    電気工事士が本業のなんでも屋、織田玄徳(ゲントク)は、仕事先でのいつもの台詞にうんざり。

    「俺は誰にも何にも囚われずに生涯ひとりの自由を満喫するんだ……!」

    しかしそんな想いは、工事中の事故による異世界転移で突如失われてしまう。

    転移した先は、魔石に文字を刻むことで便利な魔道具が生み出される世界。
    雇われた商会で商売を学び、魔道具技師として独立したゲントクは、
    マッチや製氷機、釣り道具やキャンプギアを開発して、
    自由気ままな仕事と、スローライフを手に入れる……!

    もちろん結婚はしないぞ! ずっと独身って、サイコーだ!!
    さとう (著者) / aoki (イラスト)
    発売日: 2025/12/05
    ドラゴンノベルス
    試し読みする

みんなにシェアしよう