【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は電撃文庫・12月10日刊行の『奈落ちゃんはコミュ凶です。 ~超難度ダンジョン『奈落』と知らず特訓した結果、モンスターより人間が怖い最凶探索者になりました~』(著者:大入 圭/イラスト:ナノな)です。みなさんの感想も聞かせてください!
人気者になりたい。友達がほしい。特に進級・進学直後の少年少女には、割と切実な思いでしょう。とはいえ大抵、友人関係はささいなきっかけで、いつの間にかできあがっていくもの。しかし、生粋のコミュ障であるラクナが思いついたのは、探索者になる→配信で人気者になる→友達もできてちやほやされる……という、どうにもナナメ上な計画で。どうしてそんな、間違った方向への努力には全力なのか――いや、これで実際に人気探索者になったんだから、結果的には間違っていなかった、のか?
無課金スタイルでのダンジョン攻略を「おさんぽ」と呼び、ドラゴンと遭遇しても臆さない一方で、知らない人と出くわした途端、チワワのように小さくなって震えるラクナ。この配信の切り抜き動画を作るとしたら、全編見どころ過ぎて、編集が大変でしょうね……(笑)。あまり長時間の動画は見ない自分でも、彼女のライブ配信なら何時間でも飽きることなく視聴できそうです。モンスターとの戦闘シーンでも、千切や雛とのやりとりでも、ラクナの言動があまりにも異次元すぎて、いろいろな意味で目が離せません。初めてあだ名をつけてもらったとか、会話の途中にさらっと挟まってくる不憫エピソードも、なかなかの破壊力。メインのダンジョン攻略より、人間と出会った時の方がハラハラするなんて、彼女の配信ならではでしょうね。
強くて、可愛くて、予想外。これはもう、チャンネル登録決定です。もっとラクナの活躍が見たくなりました。
文:瀧田伸也

ざっくり言うとこんな作品
1)モンスターには笑顔で向かっていくのに、対人スキルは絶望的!? コミュ凶の新米探索者・楢木野ラクナがダンジョン探索配信に挑戦!
2)そこが特級ダンジョン『奈落』とは知らずに特訓してきたラクナ。おさんぽ感覚でダンジョン踏破する様子に、視聴者も困惑!?
3)知らない人とは会話するどころか、いきなり逃げ出すほどのコミュ障。そんなラクナの予測不能なコミュニケーションがかわいい!
主要キャラ紹介

楢木野ラクナ
幼い頃からコミュ障をこじらせてきた少女。人気者になって友達を作ろうと、十六歳で探索者となった。実は、彼女が特訓していた場所は、特級ダンジョン『奈落』の一部で……!?
姫澤優子
ダンジョン内のトラブルを対処する織田原警察署・探索課の巡査。金髪でノリの軽いギャルで、ベテラン警官の久地岡巡査長とともに行動している。自称・ラクナの古参ファン。
椎葉千切
「ちぎりん」の愛称で知られる、Bランクの中級探索者。伝説の探索者・神式玄武に憧れて探索者となったが、彼の引退発表で目標を失い、今はまったり配信をメインにしている。
神式雛
探索者の十傑第一席・神式青龍の娘で、本人も十六歳にしてAランクの探索者。普段は海外を拠点にしており配信もしていないが、なぜか突然、ラクナの配信に乱入してきた。
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奈落ちゃんはコミュ凶です。 ~超難度ダンジョン『奈落』と知らず特訓した結果、モンスターより人間が怖い最凶探索者になりました~「……初探索……初ダンジョン……へ……へへ……」
コミュ力皆無で陰キャすぎるラクナは友達を作るため、ダンジョン配信で人気者になろうと思いつく。そのためには修行をしてモンスターを倒す力を身につけなければ……。だが、彼女が特訓と称して通い始めた洞穴は、実は『奈落』と呼ばれる難易度特級のダンジョンで!?
そんなことも知らずに5年の月日が経ち、16歳となった彼女は制服姿で初ダンジョンへ! 「無課金装備」「無謀」と心配されるも、その規格外の強さで早速バズり散らかすことに……!
コミュ力最弱、戦闘は最凶!
コミュ凶な奈落ちゃんの痛快無双バズコメディ!
発売日: 2025/12/10電撃文庫