SHARE

アイドルとマネージャーの禁断の恋愛。けれど、それがもし百合カップルだったら? ときどき変わる力関係にドキドキする新感覚のガールズラブコメディ!

ファンタジア文庫
ファンタジア文庫
2025/11/21

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はファンタジア文庫から11月20日に刊行された『担当アイドルの熱愛がバレたけど、ノーダメだよね!(※お相手は男装したマネージャーの私だし』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 華やかなアイドル業界。とはいえそれも仕事である以上、そりゃストレスもたまるでしょう。そんなアイドルたちに不満をぶつけられつつも、彼女たちのためならばと、可能な限り要望に応えるのがマネージャーの仕事。とはいえ、さすがに「男を紹介して」は絶対NGですよね? けれど、そのお相手が男装した「自分」だとしたら……。

 恋愛は惚れた方が負け――なんて言いますし、もしかしてマネージャーの立場でありながら、上手いこと担当アイドルの手綱を握れるチャンス! と思ってしまうのも無理はないかもしれません。
 トップアイドルの奏歌と、その新人マネージャーである理月の関係性は、力関係でいえば当然アイドルの方が上。しかし、奏歌はかつて推したい時に推せず引退してしまった地下アイドル・天雨桜に引退後も強い憧れを抱いており、ここの力関係は桜の方が上。そう、ここが本作の面白いところなわけです。

 新人マネージャーである理月に対しては無茶ぶりをして、挙句舌打ちまでするような傍若無人っぷりを発揮する奏歌が、桜相手には耳まで真っ赤にするほど照れて言動もおかしくなる辺り、ギャップが非常に可愛いです。それは桜=理月という正体がバレても変わりません。まぁ正体がバレる前より無茶ぶりのハードルがあがった理月にとっては、理不尽極まりないでしょうが……(笑)。

 そんなこんなで時として主従が逆転する、なんとも複雑な関係のふたりですが、これはこれでうまくいっているのかも。不器用でも自分の思いにまっすぐな奏歌と、やや打算的な考えがチラつくも、奏歌のためにしっかりと業務をこなそうとする理月。そんなふたりのやりとりがどこかくすぐったい甘いガールズラブ作品でした。
文:瀧田伸也

ざっくり言うとこんな作品

1)可愛い女の子の相手をするだけで稼げる夢のアルバイト――。そんな気分でマネージャーになった早瀬理月だが、担当するのはまさかの国民的アイドル・星原奏歌だった!?

2)なぜか初対面から奏歌に嫌われ、さんざんなダメ出しを受ける理月。クビを避けたい一心で「なんでもする」と言ってしまい、元・男性地下アイドルの天雨桜を紹介することに……

3)理月に対しては厳しいが、桜の言葉には素直な奏歌。だが実は、天雨桜の正体は、男装した理月だった。最初は隠せていたものの、やがてあっさり奏歌にバレてしまい――?

主要キャラ紹介

星原奏歌
今一番注目されている国民的アイドル。無口で控えめな性格と思われているが、実は大食いで、早瀬には塩対応。一方で、憧れの天雨桜の言動には、赤面して舞い上がってしまう。

早瀬理月
奏歌の担当マネージャーになった、アルバイトの大学生。本人はカードゲーム好きで腰の低い性格だが、かつては男装して俺様系の地下アイドル・天雨桜として活躍していた。

  • 読書感想文レビュー
  • ラブコメ
  • 百合
  • 現代
  • 瀧田伸也

関連書籍

  • 担当アイドルの熱愛がバレたけど、ノーダメだよね!(※お相手は男装したマネージャーの私だし)
    担当アイドルの熱愛がバレたけど、ノーダメだよね!(※お相手は男装したマネージャーの私だし)
    超人気アイドル――星原奏歌のマネージャーをすることになった女子大生の私、早瀬理月は困惑していた。
    だって「お疲れ様です~」と話しかけても、「……っち」まさかの舌打ち!? 私の存在も否定してくる始末。そんな超絶ワガママな彼女が男を紹介しろって!? 絶対無理だよっ!? 待てよ……、彼女が紹介して欲しい男性アイドルは、実は男装した私だ! 男装を隠して説得したら、何でも言うこと聞くんじゃ?と安請け合いしたら、思った以上にチョロくなるも、私だとバレてしまい……。
    「これからはわたしの言うことに絶対服従ですからね」
    アイドルとマネージャー(元男装アイドル)のガールズラブコメディ。
    最宮 みはや (著者) / 緋月 ひぐれ (イラスト)
    発売日: 2025/11/20
    ファンタジア文庫
    試し読みする

みんなにシェアしよう