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あかのまに先生が甘岸久弥先生、深遊先生、そして読者の質問に一問一答‼『かくして少年は迷宮を駆ける』最新4巻発売記念特集

MFブックス
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2025/11/25
『かくして少年は迷宮を駆ける4』特集

 Web発の王道×本格ファンタジーとしてMFブックスより刊行中の人気シリーズ『かくして少年は迷宮を駆ける』(著:あかのまに/イラスト:深遊)の最新4巻が、本日11月25日(火)に刊行された。

 本作4巻の刊行を記念して、本作の読者でもある『魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~』の著者・甘岸久弥先生の推薦コメント、そして本作のイラストを手掛ける深遊先生のコメントをお届け。
 さらに甘岸先生&深遊先生のお二人、そして読者の皆様からお寄せいただいた質問に、著者のあかのまに先生が一問一答でお答えしていきます!



『かくして少年は迷宮を駆ける』とは?

 2024年5月に第1巻が刊行、シリーズが始まった王道×本格ファンタジー。「つぎラノ2024」単行本部門4位を獲得するなど、刊行直後から好評を博す。

『かくして少年は迷宮を駆ける』書影

『かくして少年は迷宮を駆ける』
著者:あかのまに/イラスト:深遊

何も持たない少年は全てをかけて迷宮に挑む――これは冒険の物語!

迷宮大乱立時代。あらゆる経済が迷宮都市を中心に回り、我もまた栄光を掴まんと人々が迷宮踏破に夢を見る世界。
少年ウルは窮地に立たされていた。
一.借金を残して親が他界
二.妹が借金の担保にされる
三.買い戻したいなら金貨一〇〇〇枚
金もない。地位もない。力もない。
理不尽を超えるための何もかもを求め、全てを打開するため、迷宮で出会った魔法使いシズクと共に少年は迷宮へと足を踏み入れる。
迷宮を踏破し、魔物を倒し、賞金首を刈る。
地道にコツコツ実績を――などと言っている暇はない。
嵐のように迫る試練を乗り越え、凡庸な少年は迷宮を駆ける!

(1巻あらすじより)


『かくして少年は迷宮を駆ける4』帯付き書影



「この作品は自力でつかみ取る者達の物語です!」
甘岸久弥先生 推薦コメント

妹を助けるには金貨1000枚が必要。
地位もお金もチートもない、難題とトラブルと危機は滝のように降りかかる。
それでも倒れない、立ち止まらない、あきらめない、
そんなウルには、同情するより応援と幸運を祈りたくなります。
未来を夢見るのではなく、自力でつかみ取る者達の物語です。

『魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~』著者・甘岸久弥



甘岸先生からのご質問に、あかのまに先生が回答!

甘岸先生:1~4巻の中で、あかのまに先生が一番書きたかったシーン、または書くのに大変だったシーンはどこでしょうか?

あかのまに:一番書きたかったのは4巻のヒロインであるエシェルのシーンと思っています。割と成熟していたり、厄介だったりするヒロイン達が多いなかで、最も感情が表に出るのが彼女ですので、思い入れも強かったです。書籍化にあたって彼女を書くのは、一つの目標でもありました。

4巻で初登場したエシェル。
4巻で初登場したエシェル。©あかのまに/イラスト:深遊

あかのまに:4巻を出せたのは本当に甘岸先生も含めて、ありとあらゆる皆様のおかげです。どの方角にも頭が上がりませぬ。
 逆に一番厄介だったのは、2巻ディズとの共闘シーンですね。戦闘力のバランスが致命的に異なる二人の共闘、この理由付けは死ぬほど大変でした。死ぬかと思った。

まだ駆け出し冒険者のウルと【勇者】ディズ。
まだ駆け出し冒険者のウルと【勇者】ディズ。©あかのまに/イラスト:深遊


ゲストプロフィール●甘岸久弥(あまぎし・ひさや)
『魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~』著者。山形県出身。
2018年エイプリルフールに、小説好きの家族を驚かせようと「小説家になろう」に作品を投稿したことが執筆のきっかけ。投稿した『魔導具師ダリヤはうつむかない』が話題となり、2018年10月に商業出版デビュー。



「熱意に引っ張られる作品」
原作イラストを手掛ける深遊先生よりコメント

■イラストについて

深遊:イラストのご相談を頂いた時点で既にWeb版が大人気で、果たして自分が挿絵担当でいいのだろうか…と最初はかなり緊張していました……。
 しかし作者のあかのまに先生、担当さん、読者の皆さまの作品への熱意に引っ張っていただいて「緊張なんてしてる場合じゃねえ!」と、今では全力で楽しんで描かせていただいております。
 イラストを描くにあたって、特にキャラクターの表情には気を使っておりますが、主人公であるウルは本人のメンタルが老成しているせいか、油断すると大人っぽくなりすぎてしまって、少年感が出るように描き直すことが多々あります。
 その辺りはシズクも同じで、「大人」と「子供」のバランスを考えるのが難しくも楽しい部分です。

美貌の魔術師シズクとウルの出会い。
美貌の魔術師シズクとウルの出会い。©あかのまに/イラスト:深遊


■作品について

深遊:昔ながらのファンタジーを感じつつも、あかのまに先生独自の世界観と個性的なキャラクターなど目新しさも感じる、幅広い年代の方に楽しんで頂けそうな、とてもバランスの良い作品だと思っております。ヒロイン達の癖は多少……いえ、だいぶ強めですが……。
 また書籍化にあたって、とんでもない量の加筆修正が行われているので「既にweb版を読んだ!」という方も是非、書籍版も読んでその違いに吃驚してほしいです。


深遊先生からのご質問に、あかのまに先生が一問一答!

深遊先生:世界観やキャラクターの設定がとても作りこまれていますが、執筆を始める前にどれくらい構想されていたのでしょうか? また、『かくかけ』を書き始めるきっかけ等あったらお聞きしたいです。

あかのまに:書き始めた段階では、プロット半分勢い半分だったのですが……。まあ、なんといいますか……けっこう先まで書いた後、アイデアを思いついて引き返して書き直して、結果後々の展開がまた変わって書き直して……を繰り返しました。
 更に、書籍化で更に更に何度も書き直しても本当に何が何やら!! 設定が作り込まれている、と思っていただけているのは、こうした力技な部分もあるかなとは思っています。

 なお、それらの反省を踏まえ、現在はプロット重視型になりました。後からアイデアを思いついたとき、すぐに組み込めるような簡易の枠組み造りは超大事だと学べました。

深遊先生:作中の神や精霊、竜などの設定が独特で面白いなあと思っているのですが、どういった発想で生まれたのか知りたいです。

あかのまに:あまり深く考えず「信仰が各々の力になる」という、シンプルな発想が起点だったと思います。
 ベースがあるとするなら、どんな道具も神様になる八百万の神あたりでしょうか。どんな信仰もどんなものも凄いものになるという発想が浮かびました。能力者バトルものに近いですね。


読書の皆様からの質問に、あかのまに先生が一問一答!

――めんどくせぇ女がいっぱい出てくるこの作品大好きです!もしかしてあかのまに先生もめんどくせぇ女がタイプなんですか?(PN:イチジク)

あかのまに:私はおしとやかで優しい子が好きです! なのですが、なぜかできあがったヒロインがとんでもねえのになってます。摩訶不思議です。

――あかのまに先生とかくかけのキャラクターとで、性格や特徴など「似てるなぁ」と思う点はありますか?(PN:からつきひよこ)

あかのまに:ないです!!!!!
 というのも、基本的にキャラクターたち、特にウルは私ができないことをやってくれるキャラ、願いを体現してくれるキャラとして描いています。なので、似てるかと問われれば全く似てないですね……。ただ、願望なので、いつかそうなれたらいいな、と思っています――いや、なったらなったで問題だな、やめとこ。

――Web版も全部読みましたが、それはそれとして書籍版が違う展開になっており、とても楽しいです! 質問ですが、書籍版ではマギカさんの出番が凄く増量しています。何か理由などはあるのでしょうか? とてもいいキャラしているので嬉しいのですが、気になります!(PN:織)

あかのまに:書籍化に際して「主人公の武器=竜牙槍はシッカリと強調しよう」と決めました。それが、竜牙槍の改造者であるマギカの扱いを改める切っ掛けでした。
 キャラを動かしてみると、敵でも味方でもない協力者の立場は思った以上に便利でして。そして、なにより性格が悪いので、ウル達に振り回されても問題がない!!
 大変都合よい――もといWeb版ではいそうでいなかったキャラなので、出番が増えましたね。今後も振り回され続けておくれ……。

逃げようとしたところ、ウルに捕獲されてしまったマギカ。
逃げようとしたところ、ウルに捕獲されてしまったマギカ。©あかのまに/イラスト:深遊


――歴代レイライン当主たちも白王陣への意思が非常に強い者たちだったとのことですが、皆リーネほどヤバ……苛烈だったのでしょうか?(PN:サイクル)

あかのまに:さすがに彼女ほどの苛烈さを有する当主はいませんでしたね。全員信奉者、と書きましたが、そうなった動機はわりと様々です。完全な私欲が行動の起点な者もいます。
  しかし【白の魔女】と【白王陣】そのものに対する敬意については歴代共通です。その信奉ゆえに、でっけえトラブルが一代に一回以上は起こっています。えらいことだ。

ヤバ……苛烈な小人(コロポ)の少女 リーネ。
ヤバ……苛烈な小人(コロポ)の少女 リーネ。©あかのまに/イラスト:深遊


――ウルとシズク2人のギャップがすごく好みです! ウルという泥臭い主人公とある種対になることを意識されてたりしたのでしょうか? それとも、最初からこの2人が思い浮かんで物語を創り上げていかれたのでしょうか?(PN:きた)

あかのまに:二人に関しては、セットではありませんでしたね。特にシズクは、最初期段階でどのようなキャラにすべきか悩んでいたりもしました。実は、生真面目バカ正直女剣士キャラも初期案の一つにあったりました。
 なぜこうなってしまったのか。


陰謀渦巻く都市で少年が邪悪と野望を打ち破る! 最新4巻好評発売中!

『かくして少年は迷宮を駆ける4』ピンナップ

 最新4巻では【粘魔王(スライムキング)】に呑みこまれた都市で、ウルはエシェルたちと共に新たなる戦いに挑みます!
 迷宮化する都市、渦巻く陰謀、ウルの中で蠢く竜の呪い……そして少女の想い。成長を続ける少年ウルの戦い、ぜひ4巻をお手に取って確かめてください!

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