【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は11月14日に刊行された『最恐辺境伯に拾われました、小鳥(=悪女?)です』です。みなさんの感想も聞かせてください!
皆さんはペットを飼いたいと思ったことありますか? 私はこれまで縁がなく、犬も猫も飼ったことがありません。それでもペットを飼っている友人の家に遊びに行くたび、羨ましくなります。仕事や人間関係に疲れて帰ったとき、可愛いモフモフが出迎えてくれたら、きっとそれだけで癒やされるでしょうね。
だからゼクスが小鳥を拾って、夢中で可愛がってしまう気持ちがよくわかる。恐ろしい魔物が潜む魔の森を治める辺境伯として日夜戦いに身を投じ、家に代々続く呪いに身体を蝕まれながらも、傾いた領地を立て直すため孤軍奮闘する…そんなストレスフルな生活をしていたら、可愛いペットに癒やされたくもなるじゃないですか。普段は厳しい男性が、ペットの前でデレデレになる姿ってギャップがあって可愛いですよね。ただ野生の小鳥に愛を囁きはじめるゼクス…アンタ疲れてるよ…。真剣にワークライフバランスを考えたほうがいいって。
それより問題は、その小鳥はヒロインのシャロンが変身したものだったこと。お尋ね者のシャロンとしては、ゼクスに正体がバレないかと気が気でない。一刻も早く逃げ出したいシャロンと、一方的な溺愛っぷりが極まっていくゼクスとの、言葉の通じない掛け合いが愉快で笑ってしまうんです。ただ人間と小鳥だったからこそ、見た目や偏見で差別することもなく、本音や弱音を吐露できて、心を通じあわせていくゼクスとシャロンの姿が純粋でときめきました。
ペットと人間という関係から始まる、ちょっと不思議なお話でした。私も自宅の庭に小鳥が来たら優しくしてみようかな。いつもカラスしか来ないんですが……。
文:愛咲優詩
ざっくり言うとこんな作品
1)厳格な辺境伯ゼクスと、正体を隠した小鳥姿の少女シャロンが織りなす追放令嬢ファンタジー。
2)人間と小鳥という立場も種族も越えて心を通わせていく光景に温もりと癒やしを得られる。
3)シリアスな陰謀劇とコミカルなやり取りが絶妙に交錯するハートフルロマンスストーリー。
主要キャラ紹介

▼シャロン
ローズレッドの髪の伯爵令嬢。貴族でありながら魔力を持たない。親友と信じていたレオナに騙され、国外追放されたところを小鳥に変身してゼクスに拾われる。
▼ゼクス
ハルブーゲン辺境伯家の若き当主。代々引き継がれる呪いに蝕まれている。動物好きだが呪いのせいで動物から避けられる体質。傷ついた小鳥姿のシャロンを保護し、溺愛する。
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