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転生もののお約束が通じない…!? ゲーム世界の悪役に転生したら元キャラの我が強すぎて更生できません!!

カドカワBOOKS
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2025/11/13

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は11月10日発売の『悪役天才道術士の憤怒』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 一般的な悪役領主ものだと、家臣からも嫌われるような悪役キャラでも、前世の記憶が目覚めればたいてい心を入れ替え、まっとうなキャラへと更正しますよね。それがセオリー。ところが本作の主人公梅雪はもう、ある意味格が違いました。

 だって前世の記憶のおかげで自身の悲惨な末路を知ってもなお、煽り耐性ゼロで四方にキレ散らかすんですから! しかも梅雪に転生したはずの「中の人」が、アドバイザー的な存在にしかなれないほどの我の強さ。まさに規格外。転生ものの暗黙のお約束をことごとく潰していきます。まあ、絶対に揺るがない強烈な「自己」があるというのは立派なことだと思います。優柔不断な自分としては、うらやましくもありますね。性格の善し悪しはともかく(笑)。とはいえ、この難儀な性分を抱えながら未来を変えていこうなんて、かなりのハードモードでしょう。この先どんな展開が待っているのか楽しみでなりません。

 一方でヒロインの面々もなかなかの境遇の持ち主ばかり。そのうえ梅雪がアレなせいで、色恋沙汰に発展する日はまだ遠そうですね…。せっかく元のゲームはR-18だというのに(笑)! 彼女たちもみんな魅力的なので、デレたところも見たいのですが、それは先の楽しみとして取っておくとしましょう。

 梅雪にとって何より重要なのは、未来を変えること。煽りに対する怒りが彼の原動力ならば、多少生きることに難儀があっても、それは必要なことなのでしょう。術を磨いて強くなっても、ある程度の処世術を学んでも、根っこは煽り耐性ゼロのまま。そんな彼の怒りがどこまで通じるのか、見届けたくなりました。

文:瀧田伸也

ざっくり言うとこんな作品

1)剣士が優遇されているゲームの世界で、剣の才に恵まれなかった梅雪は、不遇な道術士の才能を磨いて、最悪な未来に立ち向かう!

2)気弱な勘違いエルフに、カタコトの獣人奴隷、グラマラスだけどちょっと危険な剣聖。ヒロインたちはみんな、一筋縄ではいかない!?

3)ごく普通の日常会話ですら、舐められたと感じて激怒! 傲慢な梅雪の煽り耐性のなさは、転生した「中の人」でも制御不能!?

主要キャラ紹介

▼氷邑梅雪(ひむら ばいせつ)
大名家の嫡男。「剣桜鬼譚」というゲームで序盤に倒される悪役であり、わがままな性格で最悪な末路を辿ることになっている。運命の分岐点で「前世の記憶」が目覚めるが…?

▼アシュリー
氷邑家に仕える機工絡繰忍軍の隠密頭で、天狗(エルフ)と呼ばれる亜人の少女。本来はネガティブな性格だが、絡繰に乗っている時は『阿修羅』を名乗り、強気な性格になる

▼ウメ
梅雪に仕える奴隷の少女。狼の獣人で、人の言葉はあまり得意ではない。ゲームでは主人公に奪われてしまうため、所有物の意味をこめ、梅雪から「梅」の一字を名として与えた

▼シンコウ
「愛神光流」という剣術を操る『剣聖』。梅雪に剣の指導をしていたが、彼の傲慢さを咎め、ウメを連れて逃走した。ゲームでは、ウメとともに主人公の仲間になるはずだが…?

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    美少女×国盗りなゲーム世界に転生した。最初に殺される悪役として。10年後の本編開始までに、原作知識で生存ルートを確定させねば――えっ、この身体、煽り耐性ゼロ!?

    穏便に破滅の未来を回避したい中の人に対して、些細なことでキレ散らかす身体。こうなったら――原作では隠されていた道術士の才能で、無双して全員土下座させるしかない。

    「待ってろ『主人公』……! 貴様の額を地面につけてやる!」

    中の人(まだ会ってもない原作主人公にキレないでくれ……)
    稲荷竜 (著者) / きんし (イラスト)
    発売日: 2025/11/10
    カドカワBOOKS
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