【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は電撃文庫・11月8日刊行の『聖女と暴食』です。みなさんの感想も聞かせてください!
謎の美少女と出会ったと思いきや、間もなく訪れる絶体絶命。その場を切り抜ける唯一の方法が……彼女の胸の谷間に触れることって、それ、どうなってるんですか!? ものすごく恥ずかしいけど、背に腹は代えられない。というか、アナからの提案だし、正直とてもうらやましい(笑)。で、その結果ハルは、“災厄”の力を振るうための使い魔になったわけですが。まあ、アナのような天然美少女にも懐かれたし、これはもういっそ「毒を食らわば皿まで」の精神で突き進むしかないんじゃないでしょうか。
そして、ハルたち学食部が目指し、ベエルゼブブとの契約にも関わってくる美食“四星全席”の全貌も気になりますね。旧世界の三つ星料理を超えた、魔物料理とは。この巻だけでもすでに美味しそうな料理はいくつか出てきますが、個人的に「ローパー」みたいな明らかなゲテモノは、全力で遠慮したいですね(笑)。彼らが次にどんな魔物を狩り、それをもとにどんな料理が作られるのか。読んでいると、こちらまでお腹が空いてきそうでした。
こんな感じでかわいいアナたちと、美味しい料理を求めていくだけなら平和なんですが、“災厄”なんて危険なモノがいる以上、そうもいきません。ベエルゼブブはもちろん、ほかの“災厄”も、恐るべき権能を持っているようですから。「美食」で食欲を刺激し、魔物や“災厄”との戦いで心を昂ぶらせる、最高のマリアージュ。ふたつの要素の絡み合いがクセになる、この先が楽しみな一作です。
文:滝田伸也
ざっくり言うとこんな作品
1)ピンチを切り抜ける切り札は……アナの豊かな胸の谷間にあり!? しかしその結果、いつの間にかハルはアナの使い魔に――!
2)ベエルゼブブに美味しいご飯をあげないと、地上が再び滅ぶ!? 学園の平和のためにも、美食の最高峰“四星全席”の完成を目指せ!
3)レアな食材を求めて魔物を狩り、多彩な料理を味わいながら脅威に立ち向かう。「災厄」と「美食」が織りなす新感覚ファンタジー!
主要キャラ紹介

アナセマ(アナ)
地球周回軌道上にある浮遊都市“天環”から逃走してきた獣耳の少女。第七学区の学食部に拾われて学生食堂“躑躅亭”で働くことに。

ハル・タカトー(右)
第七学区生徒会所属のエリートで特殊強襲部隊インビジブル・ハンズの小隊長。しかしアナを拾ったことで、突如、学食部へと移籍する。
ベエルゼブブ(左)
かつて地上を滅ぼした魔導兵器“災厄”の一体で、暴食の悪魔とも呼ばれる存在。今は封印により、小型犬のような姿になっている。
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聖女と暴食地球周回軌道上に浮かぶ巨大都市「天環《オービタル》」から、地上へと逃走してきた少女アナセマ。彼女は、かつて旧世界を滅ぼした魔導兵器“災厄”の一体――“暴食の悪魔”《ベエルゼブブ》と契約した魔女だった。
地上の閉鎖環境都市「学園」の生徒ハルは、アナセマと出会ったことにより、生徒会エリートの地位を投げ捨てて、旧世界が生み出した美食の最高峰“四星全席”の完成を目指す謎の部活「学食部」へと移籍する。
なぜならアナセマが“暴食”と交わした契約は、彼に「美味い料理を喰わせること」だったからだ。かくしてハルたちは地上を“災厄”の暴走から救うため、美食の素材となる魔物狩りに明け暮れることになる!
“災厄”と“美食”が交差する新感覚学園ファンタジー、ここに開幕!発売日: 2025/11/08電撃文庫