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週末は会社の美人後輩とベランダデート。ギリギリ恋人未満が心地よい、大人の癒し小説

角川スニーカー文庫
角川スニーカー文庫
2025/10/31

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は10月31日刊行のスニーカー文庫『向かいのしごでき後輩は、ベランダで甘えたい』です。みなさんの感想も聞かせてくださいね。


 独り暮らしの社会人男性の夢が叶う現場はこちらですか!? 地に足のついたお仕事描写(しかしストレスを感じるような内容は一切ナシ)と、ヒロインとの適度で疲れない距離感が相まって、これぐらいが理想という人は沢山いるだろうなぁと感じました。仕事は順調で、週末は美人さんと約束がある⋯⋯最高じゃないですか。そしてガード硬めだけど自分にだけ積極的な女子、みんな大好きでしょう。自分も大好きです。

『向かいのしごでき後輩は、ベランダで甘えたい』より

 一読者としては、ギリギリ恋人未満の関係が続いていくので色々と美味しかったです。仲が深まった関係だと、また違う読み味になってしまいますからね。語り手が鈍いのではなく、努めて紳士的なのが良いほうに作用していたと思います。始めはどうしてここまで好かれているのだろう? という疑問がありましたが、読んでいくうちにそりゃあモテるわと。こっちにも「しごでき」がいますよ!

『向かいのしごでき後輩は、ベランダで甘えたい』より

 逆にしごでき後輩な白帆さんの「しごでき」な面が多く伺えたかというと、彼女はもう素の自分をたっぷり魅せてくれていて。真面目なお仕事モードはふとした瞬間に垣間見えるぐらいの案配でしたね。タイトルから受けた印象だと真逆の配分でもおかしくなかったですが、本作に関してはこれがベストでしょう。このベタ甘な感じがいいんですよ!

 今は適度に涼しい季節ですし、自分も今晩はベランダでお酒を飲もうかな。残念ながらうちの向かいには茂みしかないけど……なんて考えてしまう、秋の夜長にぴったりな一冊です。

文:中谷公彦

ざっくり言うとこんな作品

1)基本シチュエーションは自宅ベランダで向かいに住んでいる美人後輩と晩酌という、忙しい日々で消耗した社会人には「ちょうどいい温度感」のラブコメ!

2)最初から女性側の好感度がかなり高め。社内で噂になるような事態は避けたい……でも向こうは構わずグイグイくるというジレンマが魅力。

3)名前の配慮や適度なお仕事描写から、自然と没入感が高まるような設計がポイント。存分に感情移入しちゃってください!

主要キャラ紹介


本作の語り手。大手企業のグループ会社に勤める28歳。総務課の社員として、企画課など現場に出る人々のサポートを担当している。日々の楽しみはベランダでの一人晩酌。

白帆羊(しらほ よう)
同じ社内の企画課に勤める後輩社員。「仕事が出来る」うえに美人な社内の人気者。向かいのマンションに住んでいることが判明してから、積極的なアプローチを重ねてくるように。

白帆羊

遠峰琴(とおみね こと)
ストーリー中盤から総務課に加わる新人。こちらも仕事面は非常に優秀で、二十代半ばとは思えぬほど落ち着いた人柄。羊の大学の後輩であり、過去を知る人物。

  • 読書感想文レビュー
  • ラブコメ
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  • 中谷公彦
  • 社会人

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    向かいのしごでき後輩は、ベランダで甘えたい
    平凡な社会人生活の唯一の楽しみは、夜のベランダでひとり晩酌をすること。
     そんな俺の向かいに住んでいたのは、可愛さと仕事ぶりから会社内でも人気の高い後輩・白帆羊だった!? 
    「せんぱい。また仕事終わりに、ここで一緒に飲みましょうよ」
     数多の男性からの誘いをさらりと断る白帆の無防備な笑顔。
     俺にだけ懐く理由は分からぬまま。仕事終わり、ベランダ越しのふたり晩酌は、いつしか日常の楽しみになっていって……。
    「会社でだめなら、ベランダでは甘えさせてくださいね?」
     後輩以上、恋人未満。――今は、そんな距離感が心地よい。
     疲れた日々へのご褒美みたいな、じれ甘ベランダラブコメ。
    七転 (著者) / 熊野だう (イラスト)
    発売日: 2025/10/31
    角川スニーカー文庫
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