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熱烈なプロポーズにたじたじ! 過保護な兄弟子公爵と自立心の強いヒロインの、じれじれ不器用な身分差ラブコメ! 

角川ビーンズ文庫
角川ビーンズ文庫
2025/10/31

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は角川ビーンズ文庫から10月31日に刊行される『冷酷公爵様は魔法鑑定士にだけひたすら甘い 兄弟子の妹弟子愛が強すぎます!』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 魔法使いとフリーライターとでは仕事内容は全く異なりますが、組織には所属せずに個人で仕事を請け負うエリーゼの姿は私自身と重なるところが多く、感情移入しながら読んでしまいました。魔法鑑定士として働くエリーゼにとって、“若く可愛らしい”というフレーズは決して誉め言葉ではありません。この言葉に裏側には、女性だからと無意識のうちに侮ったり実力を疑ったりする心理が隠されているのです。こうした先入観を見事に実力で跳ねのけて、口コミで仕事を広げていくエリーゼの姿は理想的なロールモデルと言えるもので、同じ働く女性としてとても励まされました。

冷酷公爵様は魔法鑑定士にだけひたすら甘い 兄弟子の妹弟子愛が強すぎます!

 地に足のついたお仕事要素だけでなく、ときめき成分たっぷりのエリーゼとダリウスのロマンスも本作の大きな見どころです。身分差や両片思い、じれじれの恋模様と私の好きな要素がたくさん詰まっています。

 わけありの生まれのエリーゼをいつも見守り、彼女のために尽くすダリウスはまさに理想的なヒーローです。彼が口にする甘い口説き文句の数々と、行動をともなった一途な姿には惚れずにはいられませんが、脇役好きとしては、宮廷の魔法研究機関職員として登場する、不憫で報われないテレンスもとてもツボなキャラクターでした。決して報われないとわかっていても、テレンスのような不器用で誠実な男をついつい応援したくなってしまいます。

 長い間自分の気持ちから目をそらし続けてきたエリーゼと、妹弟子だけを溺愛する冷酷な公爵がみせる強い絆、そして魅力的な当て馬の姿、三者三様の魅力をたっぷり堪能してください。

文: 嵯峨景子

ざっくり言うとこんな作品

1)兄妹のように過ごしたからの、加速する求愛。熱烈なプロポーズを断り続けるエリーゼとダリウスの関係から目が離せない?

2)魔法を愛し自立するヒロインの姿が格好いい。当初はその若さで見くびられるも、自らの能力で周囲を納得させていくところが好感度大。

3)エリーゼが心に秘め続ける本当の気持ちは……。お互いを思いやるが故にすれ違うじれじれでもどかしい恋模様を楽しめる。

主要キャラ紹介

冷酷公爵様は魔法鑑定士にだけひたすら甘い 兄弟子の妹弟子愛が強すぎます!

右)エリーゼ・トワイライト
男爵家の愛人の子どもとして虐げられて育つが、高名な魔法使いシルヴァルドに見いだされて弟子となる。魔法のエキスパート『魔法鑑定士』として活躍し、魔法に関するものへの探究心が強い。

左)ダリウス・セラフェン
エリーゼの兄弟子で現在はセラフェン公爵家の若き当主。世間では冷酷で気難しい人物だと思われているが、エリーゼを気にかけて客の紹介など何かと面倒をみてくれる。

シルヴァルド・アルスフィア
エリーゼとダリウスの師匠。数百年生きている大魔法使いで、強大な力で帝国を災害から救った英雄として尊敬を集めている。精巧な人形のような人間離れをした美しい容姿をもつ。

テレンス
宮廷の魔法研究機関職員。同じ職員のヨハンとともにエリーゼに魔石の鑑定を依頼する。ツンとした態度の感情が読み取れない男でエリーゼの実力を試そうとするが……。

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    複雑な出自から大魔法使いに弟子入りし、魔法のエキスパート『魔法鑑定士』となったエリーゼ。
    その店に、今日も兄弟子ダリウスが入り浸っている。
    「本日はどういったご用件で? 公爵様」
    「そんな他人行儀な。昔のように愛らしい声で名前を呼んでくれ」
    公爵となっても変わらぬ過保護な妹弟子愛。
    しかし「公爵家の権威で仕事をしている愛人」と不名誉な噂が流れてしまい!? 
    自分の魔法を信じ愛を掴む、じれじれ不器用な身分差恋!
    雪嶺 さとり (著者) / 瀬澤 ゆうこ (イラスト)
    発売日: 2025/10/31
    角川ビーンズ文庫
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