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新撰組×鬼×錬金術!? 本来の歴史とは大きく異なる、幕末・京都のファンタジーラノベ、爆誕!

MF文庫J
MF文庫J
2025/10/24

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMF文庫Jから10月24日に刊行する『折れた剣の幸福論 ~赤毛の錬金術士と弱気な元剣聖~』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 時は幕末、そして新撰組とくれば、漫画やアニメ、ゲームなど、さまざまな媒体で扱われた要素。もうこれだけで自分の本作への期待度は急上昇なんですが。そこへ錬金術やらヒヒイロカネやら、鬼や伝説の剣豪たちの激戦なんかまで盛られて、ワクワクしない人なんているのでしょうか。もう断言しましょう。絶対にいません、と!(笑)

『折れた剣の幸福論』カバーイラスト

 ただひたすら剣に生き、剣聖とまで呼ばれたのに、その最期はあまりにもあっけなく。熊次こと、三助の恥の念がどれほど深いか、自分程度では理解できそうもありません。しかし、彼が第二の生でいかに剣を拒もうとも、やはり彼は伝説の剣豪。悲しいかな、剣からは逃れられないのです。彼の代で途絶えた技を使い、彼の時代にはなかった流派の剣士や、異形の鬼を圧倒してゆく様は、思わず読んでいるこちらも力が入ってしまいます。こんなにも彼らの戦いが熱いのは、その剣に信念が、魂がこもっているから。主と定めた者のためならばと喜んで命を捨て、友と認め合った仲であっても、お互いの譲れぬもののために剣を交える。天才少女のモルガナであっても理解できないであろう、「男」の――いや「漢」の生き様がここにあるのです。

 我々が知る歴史でも幕末は日本が大きく動いた時代ですが、熊次らがこれから歩んでゆく幕末は、まったく先が読めません。ただ、本来の歴史より、さらに奇想天外になるのは間違いないでしょう。心を激しくゆさぶる、非常に熱い物語でした。

文・瀧田伸也


ざっくり言うとこんな作品

1)激動の幕末に生きる新撰組に、天才錬金術士と蘇った伝説の剣豪、そして鬼。歴史とファンタジーが巧みに交わる、壮大な物語!

2)熊次の天然理心流、斎藤の無外流、新撰組隊士たちの北辰一刀流。数多の剣豪による華麗な剣技が、戦場で激しくぶつかり合う!

3)大義のため。忠義のため。友のため。信念のため――。譲れないもののために命を賭して戦う、男たちの熱い生き様に刮目せよ!


主要キャラ紹介

『折れた剣の幸福論』近藤三助(熊次)

▼近藤三助(熊次)
錬金術の秘宝で蘇った、天然理心流の二代目。剣聖と呼ばれ弟子にも慕われていたが、不覚を取って命を落とした事実を強く恥じており、復活後は剣を振るうことを忌避している。

『折れた剣の幸福論』モルガナ

▼モルガナ
新撰組の英学顧問を務める錬金術士で、『火竈のモルガナ』の号を持つ才女。とある使命のため、伝説の剣豪である三助を蘇らせた。普段は彼を「下男の熊次」として扱っている。

『折れた剣の幸福論』斎藤一

▼斎藤一
モルガナを警戒する新撰組副長・土方歳三の懐刀で、熊次ですら見切れないというほどの居合いの達人。土方の命令には忠実だが、周囲からは「人斬り凶」として恐れられている。

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  • 瀧田伸也

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    折れた剣の幸福論 赤毛の錬金術士と弱気な元剣聖
    『正しい歴史』が改変され、鬼が出現するようになった幕末の京都。
    英国出身の天才錬金術士モルガナは一人の剣士を蘇らせた。その名は近藤三助、天然理心流剣術二代目宗主で、理心流を大流派へと押し上げた大剣聖だ(後の新撰組局長、近藤勇は理心流四代目宗主)。
    だが蘇った剣聖・三助は剣をすでに棄てていた。
    とはいえ歴史干渉のため、内から壊れようとする新撰組、その破滅回避を狙うモルガナは、新撰組の精鋭が現局長・芹沢鴨をまさに暗殺せんとする修羅場に、剣を棄てた三助を放り出し――。
    心の一滴まで燃やし尽くされる、剣戟と錬金術が織りなす、心熱小説、開始!
    扇友太 (著者) / 四季童子 (イラスト)
    発売日: 2025/10/24
    MF文庫J
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