【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は10月15日に刊行された『肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。』です。みなさんの感想も聞かせてください!
『肉』。この文字が目に飛び込んできたとき、すかさずこの本を寝かさざるをえませんでした。今は健康診断前で断食中の身⋯⋯そんな自分には酷ですもんね⋯⋯ということで、健康診断も無事終わり改めて読んでみると、食事を「さらに」おいしくするポイントがてんこ盛りでした!
それまでのレオンの食生活も、決して悪いものではありませんでしたが、主人公クラウディアがレオンの領地にやって来たことで一変。クラウディアがソースの種類を取りそろえたり、手間暇かけて複雑な手順の料理を作り始めたりすることで、食事に明らかな彩りと満足感が増えていったのです!
これには「なるほど」と思ってしまいましたよ。私などは特に一人暮らしをしていると、どうしても食事はないがしろになってしまいがち。時には一日一食になっていたりと、面倒くさがって食べない選択肢まで出てきてしまうことだってあったり⋯⋯。そんなとき、いつもとは違うドレッシングに変えてみたり、食器を変えてみたりとちょっとした工夫をするだけで、きっとそのおいしさは二倍にも三倍にも跳ね上がるのでしょうね。新しい種類のお肉を買ってみようかな、ふわとろの卵もおいしそうだったし、オムレツ焼きたいなあ…なんて、ついつい自分の生活に重ね合わせてしまいました。
なにより食事における一番のスパイスは、笑顔でおいしそうに食べることだと改めて気付かされます! 作中でのクラウディアの笑顔に、こちらまで心底嬉しい気持ちにさせられます。たとえ一人で食べていても、食事をしっかりと味わって食べることは、なによりおいしさにつながりますよね。食事の工夫は人それぞれ。私もまた前日の空腹をスパイスに、ボロネーゼでも食べましょう。
きっと明日からちょっとした料理の工夫を試したくなる。そんな日々のちょっとした彩り、ささやかな楽しみを教えてくれる物語です。しかも、最初から最後までずっと仲良しのお似合い夫婦。ヒロインの溺愛されっぷりに心もしっかり満たされる一作でした!
文:波樹 葉音
ざっくり言うとこんな作品
1)読むだけでお腹も心もいっぱいになる満たされ感が半端ない!(お肉が絶対食べたくなる物語)
2)お肉が大好きすぎて狩猟もお手の物なクラウディア。可愛い見た目に反してギャップがすごい!
3)最初から最後までずーーーっといちゃいちゃしている最強のお似合い夫婦。溺愛スローライフを安心して摂取しながら多幸感まで味わえる一作。
主要キャラ紹介
▼クラウディア
「肉食令嬢」の二つ名を持つ伯爵令嬢。肉のためなら狩りも血抜きも自ら行い、(肉)料理の腕も抜群。狩った命への感謝も忘れない。辺境領の魔獣の肉を食べるたび目を輝かせている。
▼レオン
ヴァルネファー辺境伯兼騎士団長。クラウディアとの契約結婚で食に興味を持ち始め⋯⋯。
▼リーツマン伯爵
妻亡き後、クラウディアを男手一人で育て上げた父。結婚前、行動力抜群で肉に目がないクラウディアに振り回される。どうやらクラウディアも知らない一面があるようで⋯⋯。
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