【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は10月10日発売の『モブの俺が悪役令嬢を拾ったんだが ~ゲーム本編無視で、好き勝手楽しみます~』です。みなさんの感想も聞かせてください!
非常に面白かった! 2024年カクヨムで実施した「カドカワBOOKSファンタジー長編コンテスト」で受賞した本作の魅力は、主人公・ランドルフその人にある。ランドルフが予想外の出来事に遭遇するたびに発揮する臨機応変の対応力がとにかくすごいのだ!
物事を臨機応変に対応するために必要なのは知識と経験だろう。つねに「どう動くことが正解か」を判断してうまく動けたら、どんな困難も乗り越えられるはず。ネタバレ回避のために詳しくは語れないが、洞察力にあふれたランドルフは先を見越して動くところも、先を予見しないままに動く豪胆な場面でも、とにかくかっこよくて、いまどきの言葉でいうとメロいのだ! モブなのに。とにかく最高!
婚約破棄で国外追放された侯爵令嬢との出会いでも、封じられていた古の大魔法使いに対しても物怖じせず驚くほど柔軟かつ適切に応えるランドルフ。豪胆な発想と豪快な行動力があって、さらに機転の良さと臨機応変な対応で物事を好転させる様はとても痛快で、ページをめくる手が止まらなくなる。何よりも「どうなるの⁉」とハラハラする場面でも、先のことも考えながら冷静に動く彼の男らしさと聡明さにときめいてしまう⋯⋯!
文:えびさわなち
ざっくり言うとこんな作品
1)ゲームのような世界に貧乏モブ貴族として転生した主人公が、ゲームヒロインに起こるシナリオを無自覚で潰しながらレアスキルを入手し、異世界で成り上がる!
2)現代知識を使いつつ、訳あり令嬢と大魔法使いと共に領地の農具や馬車の改良、魔物素材の問題を解決し領地開拓のため奔走!
3)領地開拓に協力してもらう代わりに、封印された大魔法使いの身体探しを手伝うことに!
主要キャラ紹介
▼ランドルフ・ヴィクトール
前世では営業職だった元40代男性。口調や態度は粗暴だが、己の信念と筋は真っすぐ通す性格。貧乏子爵家の嫡男に転生してしまったので、とりあえず自領を何とかしたい。

▼エリザベス・フォン・ブラウベルグ
ブラウベルグ家の侯爵令嬢で、王太子の婚約者だった。ある少女に嵌められ国外追放されてしまうが……?

▼エレオノーラ
古代人。封印されし古の大魔法使い。現在、エリザベスの身体に憑依し己の身体を探している。

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