【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はドラゴンノベルスから10月3日に刊行された『ゴーレムマスター メイク・マイ・レディ どうせ一緒に戦うなら、可愛い女の子のほうがいいじゃない?』です。みなさんの感想も聞かせてください!
一言いいですか? 今作、ヒロインが男前過ぎてめちゃめちゃカッコいい!
いやね、わかっていますよ。そこが作品のコアじゃないことぐらい。
しかし男前なヒロインが登場するのも間違いないんですよ。
もちろん、この作品のコアは(あ、このコアという単語を度々使うのは本作に登場する「ゴーレムコア」に掛けてます)、ゴーレムのパットンが可愛いというところにあるのは間違いありません。
歴史的にも美少女人形に心血注いできた日本人として、そこを外すわけにはいくまい。
等身大で、球体関節まで再現された可動性があって、さらにカスタマイズして自分好みに改造可能。おまけに自身はマスターとして最初から信頼度カンスト。しかも本作のゴーレムはコアのお陰(?)で意思を持っていて会話も可能――とくれば、ワクワクしないわけがないです。
ですけど、それだけではなく。パットンは元戦闘用騎士型ゴーレムだったことから心は男なわけです。それも、最初は女性型のボディを嫌がっていたほどに。
しかし、本作の主人公であるクグツ(というかニーチェ?)が言うように「精神など肉体の玩具に過ぎない」(名言)なわけで、もう途中からは女性型ボディを受け入れ始めてTSですよね⁉


でもって、生業として当然、地下迷宮に潜ってバトル。女性型のボディで男性的にバトル。
はいカッコいい。この辺り、すごく“癖”を感じるので是非原文で読んで欲しいです。
さらにですよ? ヒロインはもう一人登場してまして、こっちは聖職者の女性ですね。
生身の、わざわざ生身って書かないといけないのがアレですけど。
名前はシルビアさん。聖職者ではあるんですけど、神殿騎士っていうんですかね。戦う聖職者なんです。
こちらはきちんと(?)心も女性ですが、漢気があるんです。
作中でダンジョンで遭遇したギガントミノタウロスに一度敗北を喫するものの、そこからリベンジする気満々。所属からの帰還命令もガン無視して、来る再戦に向かって負傷しているにもかかわらず筋トレして肉体強化の日々。腑抜けた男など歯牙にもかけない、むき出しの闘志! 最高ですね。
片や男性の気持ちを持ったまま女性型ボディで戦うパットン。
片や女性ながら漢気を持って戦うシルビア。
つまり、この作品にはタイプの違うカッコいいヒロインが二人も登場するんです!
この二人が今後どんな冒険を繰り広げるか、これは滾りますね!
カッコいい女性キャラに目がない男性陣は絶対に本作を読むべき……!!

文:勝木弘喜
ざっくり言うとこんな作品
1)クグツとパットンが迷宮で辿り着いたのは未発見の神殿! しかし対峙したギガントミノタウロスにパットンは破壊されコアのみに!?
2)廃パーツを繋ぎ合わせクグツが作り上げたのは可愛い女の子ボディ!? 最初は嫌がっていたパットンだが意外に使い心地がよく――
3)迷宮で採取した素材を使ってパワーアップ! そして不良中年騎士、女性神殿騎士も巻き込んでギガントミノタウロスにリベンジへ!!
主要キャラ紹介
クグツ
ゴーレム・パットンの主人である魔道技師の青年。迷宮に潜り、獲得した素材や金をゴーレムにつぎ込んでいる。ゴーレムへの情熱も技術も高いだが、試験と相性悪く四級技師。

パットン
クグツのゴーレム。元は大柄な男性体を全身鎧で包んだナイトタイプだったが、ギガントミノタウロスに破壊されコアのみに。懐事情から薄桃色の髪をした少女のボディーになる。

シルビア
銀髪の帝国神殿騎士。志が高く、魔物の異常繁殖などによる食料不足の帝国のため、迷宮探索と魔物討伐のノウハウを学びにあまり友好的でない『山頂の王国』に学びに来ている。

ザッカス
『山頂の王国』の騎士。ダミ声無精髭で薄汚れた鎧をきており、支給品の剣を度々無くす酒好きの不良中年。借金があり、ピンハネを狙ってクグツたちに金儲けの話を持ち掛ける。

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