【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は電撃の新文芸・10月17日刊行の『スレ主がダンジョンアタックする話』。みなさんの感想も聞かせてください!
ネガティブなイメージもあるSNSだけど、顔も知らない人たちとの会話に救われることだって力をもらうことだって少なくはない。ライブ配信中に配信主がコメントを拾ってくれたら嬉しいし、視聴者が同士のコメントにも他者との繋がりが感じられる。本作はそんなSNSやライブ配信を文字で表現した一冊から、あの瞬間の気持ちを感じられる、まさしく“今”という時代ならではの作品だ。
ある日、掲示板「dちゃんねる」にあがったのは、前日にダンジョンアタッカーの資格を取得したというスレ主が立てたスレッドだった。その最初の書き込みを見た瞬間から、私も彼の動向を見守るスレ民に。装備も武器もなしにソロでダンジョンに突入するスレ主ことスイッチによるリアルタイムのダンジョンアタック配信を、画面の向こうのスレ民や同時接続の視聴者たちと共に拳をにぎりしめながら見守った。
ページをめくるたびに繋がっていくコメントは、スレや動画への書き込みをリアルタイムで見ているのと同じ感覚で読み進めていたし、コメントのどれかは自分で書き込んだかな⁉ と思うようにポンポンと目に飛び込んできた。そして何よりダンジョンアタックの配信は、無人島やキャンプのライブ配信や格闘技の試合をライブで観ているような臨場感だ。読後感もまた、ライブ配信を見た後と同じく「お疲れ様~」と配信者と視聴仲間を労う気持ちだ。次にスイッチはどんなダンジョンに挑むのか。告知を待つ!
文:えびさわなち
ざっくり言うとこんな作品
1)無謀な挑戦と思われたスイッチのダンジョンアタックに向けられるスレ民たちのアドバイスと応援が、バトルの臨場感を高めていく!
2)スイッチのバトルの外で、個性派ヒロインやスレ民たちの笑えるコメントもあり、ライブ配信を観るのと同じくサクサク読める!
3)主人公がピンチを迎える度に大きな応援の声を送るスレ民たち。彼らと共にスイッチの挑戦を応援しながら一体感を感じられる物語!
主要キャラ紹介
スイッチ(戸張照真)
前年の大規模ダンジョン災害被災者。D災の地・福平出身。17歳。D災でオッドアイと髪の一部が白髪になる。初めてのダンジョンアタックのスレを作り、ライブ配信を敢行。
伽藍堂叶
国内最強ダンジョンアタッカーの一人。17歳。ダンジョンアタッカーの武器や装備を作るガーランドウェポンズ創始者の孫娘。「winner」の名で投稿する通称“先輩”。
羽場童剛
ダンジョンアタッカー第一世代で現在は山櫛県のギルドマスターでありスイッチこと戸張の後見人。死へ向かおうとする戸張を「生き様を刻むまで死ぬな」と繋ぎ止めた張本人。
三鶴城礼司
最強ダンジョンアタッカーパーティで人海戦術での戦いが得意な『至強』のリーダー。D災の際にはパーティメンバーの大半を失った。スイッチのライブ配信を見守る。
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