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遠坂あさぎの世界とキャラクターを、志瑞祐が物語に――〈魔女狩り〉と〈不死の魔女〉の新感覚バディファンタジーアクション!

MF文庫J
MF文庫J
2025/09/25

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMF文庫Jから9月25日に刊行された『ハウリング・ブレイズ 葬焔の剣士と不死の魔女』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 正直なところ、最初は自分の趣味で「中華風ファンタジー好きなんですよ~!」という切り口で書こうかなー、と思っていました。そして実際に拝読すると、本作はゴシックとサイバーパンクも入り混じった上での中華的世界。この複雑な世界観が綺麗にまとめられつつ、非常にアツいバトルが描かれており、全編通して大変読み応えがある一作でした! ですが読めば読むほど、好対照な薫とフィオナの関係性がとても良いなと思うようになり……最終的にバディものの切り口にて取り上げさせていただければと思います。

 さて、バディものの醍醐味といえば、言わずもがな「メインとなる2人がどんな関係値を築いくか」というところですね(断定)。すでにお互いを知り尽くしたはずのところからさらに深堀りしたり、同じチーム内で反目し合うところから仲良くなったり、というのは定番かなと。その中で本作はというと、「一から関係を築いていく」パターンです。

『ハウリング・ブレイズ』カバーイラスト

 本来は相容れない敵である〈魔女狩り〉と〈魔女〉が出会い、「護衛」と「雇い主」に。さらに、見た目も性格も戦い方も正反対なあべこべな主従――この二人がどんな関係値を築くと思います? 答えは狂犬と飼い主……までは言い過ぎかもしれませんが、薫が見た目に反して意外と喧嘩っ早いんですよね。なんならフィオナがちょっと振り回されているくらい。個人的には想定外だった関係に着地した気がしますが、それもまた読書の醍醐味。みなさんもこの二人がどんな段階を踏んで関係を深めていくのか、ぜひ想像しながら読んでみてくださいね。

文:沙藤克広



ざっくり言うとこんな作品

1)大人気イラストレーター・遠坂あさぎが考案したオリジナルキャラクターが原案となった、通常とは異なる経緯で制作された物語

2)「聖剣学院の魔剣使い」に続いてのタッグとなる志瑞祐が執筆を担当! 「精霊使いの剣舞」も生み出した人気作家の手により、キャラクターたちが「物語」へと進化!

3)刀を手に戦うクールな護衛・薫と、人懐こさを感じさせる魔法を操る少女・フィオナ。見た目も性格も戦い方も対象的なバディだが、どちらの在り方も美しいのだ……。


主要キャラ紹介

『ハウリング・ブレイズ』月宮薫

▼月宮薫(つきみや・かおる)
妖刀〈飛燕〉を手に、多数の妖魔を倒してきた元〈魔女狩り〉。〈聖櫃〉を巡る攻防の中で〈魔女〉フィオナと出会い、敵であるはずの彼女から何故か護衛を依頼される。

『ハウリング・ブレイズ』フィオナ・カサンドラ

▼フィオナ・カサンドラ
喫茶店〈猫遊館〉のマスターで、その正体は〈白花の魔女〉の異名を持つ〈魔女〉。だが現在は力の大半を封印されており、特定の事象に関わる事にのみ、その力を振るうことが出来る。

『ハウリング・ブレイズ』璃音・ジャガーノート

▼璃音・ジャガーノート(リオン・ジャガーノート)
劉華帝国特務部隊〈星劔〉所属する神妖精の少女。〈魔女狩り〉部隊のエースとして、〈魔女殺し〉の魔剣〈雪月花〉と、神妖精の秘術を組み合わせて戦闘を繰り広げる。

  • 読書感想文レビュー
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  • バトル
  • アクション
  • 沙藤克広

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    喫茶店のマスター兼『(ほぼ)なんでも屋』を営む彼女は薫に提案する。
    「私のボディガードになって欲しいんだ」
    「……は?」
    困惑しつつも居候することになった薫。その翌朝、〈猫遊館〉に早速、事件が持ち込まれる。
    〈魔女〉と〈魔女狩り〉が最初に立ち向かうのは、Q市街の超巨大積層建造物〈骸閣楼〉で発生した連続行方不明事件だった。
    志瑞祐×遠坂あさぎコンビの放つバディ魔法×剣舞アクション、シリーズ開幕――!
    志瑞祐 (著者) / 遠坂あさぎ (原案・イラスト)
    発売日: 2025/09/25
    MF文庫J
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