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女嫌いな公爵様×ひた向きに頑張るメイド(実は令嬢)の、王道かつ最高な甘やかし溺愛シンデレラストーリー!

角川ビーンズ文庫
角川ビーンズ文庫
2025/10/01

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は角川ビーンズ文庫から10月1日に刊行される『姿を偽っていた令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 人には多かれ少なかれ、何かしらのコンプレックスがあるものです。けれどもそのネガティブな感情は本来、自分自身と向き合って克服するべきで、コンプレックスをこじらせて他人に当たるなんてもってのほか。そんな見苦しさを体現したようなキャラクターたちが、エヴェリー一家です。引き取ったミシェルに私怨からきつく当たる従姉妹のパドマも、貴族階級の特権に溺れて自分より下の立場の者をぞんざいに扱うパドマの両親も、とびきり意地悪なキャラクターでした。

 エヴェリー家の人々に苛められるミシェルの姿は悲惨だが、このどん底の日々があったからこそ、屋敷を追い出されたミシェルがロイドに見初められ、幸せ掴むという大逆転が輝きます。不遇に耐えてきたミシェルにはどうか幸せになってほしい、報われてほしい。そんな読者の気持ちに100%応えてくれるシンデレラストーリーで、読み終わると温かな気持ちになりました。

 ヒーローのロイドがミシェルだけにみせる、甘やかな態度と言葉の数々は本作の何よりのときめきポイントです。ロイドとミシェルの両方の視点が描かれることで、互いへの思いの深まりやすれ違いが浮き彫りになり、じれじれな両片思いをじっくりと楽しむことができました。個人的にはロイドの人を見る目、生まれや家柄に惑わされない姿勢に心を打たれました。

 他の人がどんなにミシェルを貶めようとしても、その言葉に決して惑わされることはなく、自分の目で見た彼女の本質を信じている。そんな高潔なヒーローと薄幸なヒロインが織りなすラブストーリーは、とびきりのカタルシスをもたらします。

文: 嵯峨景子

ざっくり言うとこんな作品

1)どんなに虐げられても心の優しさを失わず、ひた向きに頑張るヒロインが魅力的! 健気に頑張る姿を応援したくなります。

2)女性が嫌いなはずなのに、好きになったら尽くす・甘やかす公爵のギャップにときめく! ミシェルだけに見せる溺愛がたまりません。

3)すれ違いに読者としてはニヤニヤしつつ、両想いになっていく過程が丁寧に描かれていて、最幸なシンデレラストーリーです。


主要キャラ紹介

姿を偽っていた令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです 1

ミシェル
父母を亡くしエヴェリー伯爵家に引き取られるが、使用人のように扱われている。みすぼらしい恰好をさせられ、まともな食事も与えられないまま働かされていた。

姿を偽っていた令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです 1

ロイド・ハリントン
ハスティーナ王国の筆頭公爵家の当主。白銀の髪と青い目をした美青年で有能だが女性嫌い。森の中でミシェルと出会い、空腹で倒れた彼女を助けて屋敷に連れていった。

姿を偽っていた令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです 1

右)パドマ・エヴェリー
伯爵令嬢でミシェルと同い年の従姉妹。ミシェルを幼い頃から妬み、髪を強制的に短く切らせて黒色に染めさせるなど、両親と共に虐めている。

左)スティーブ・ヘイゼル
ヘイゼル伯爵家の次男でパドマの婚約者。伯爵家の関係者で唯一ミシェルに優しくし接してくれる人だった。孤独なミシェルにとって大きな心の支えになっていたのだが……。

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    ミシェルは伯爵家で髪を黒く染め使用人として働いていた。
    しかしある事で家を追い出され、しかも女嫌いな公爵・ロイドとぶつかり怪我をさせてしまう!
    償うため公爵家で働くことになるが、信頼されロイドのお世話係に抜擢!?
    女性が嫌いだからと距離をとっていたけれど、なぜかロイドに優しくされたり甘い言葉を囁かれたり……
    「私は君のためならば何でもする男だぞ」
    これって私が尽くされてる!? シンデレラ溺愛ストーリー!
    鳴宮野々花 (著者) / せりさわ りな (イラスト)
    発売日: 2025/10/01
    角川ビーンズ文庫
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