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竜の王子を救うために死に戻ったのに...2度目の人生でもすれ違い続ける恋の行方。陰謀と愛憎が渦巻くミステリー溺愛ロマンス!

メディアワークス文庫
メディアワークス文庫
2025/09/25

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はメディアワークス文庫から9月25日に刊行される『そして、あなたは私を捨てる1 死に戻り令嬢は竜の王子の執着を知らない 』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 ファンタジーの花形といえば、やっぱりドラゴンですよね。あの雄大なフォルム、強靭な生命力、卓越した魔力に深い叡智――小さい頃からずっと憧れてきました。だからこそ、この作品にも竜が登場すると知ったときは胸が高鳴ったのですが、この作品の竜のオルトゥス、想像していたよりずっと人間臭くて思わず笑ってしまいました。

 初登場時はアリアーナの必死の懇願にも心を動かさず、いかにも冷酷な竜という雰囲気を漂わせていたのに、読み進めるうちにその印象ががらりと変わっていくんです。実は子育てに苦労するシングルファーザーで、恩を着せたアリアーナに子どもの世話を押し付け、自分は昼間からスルメをつまみに酒を飲む始末。気難しいのにどこかだらしない――こんなお父さん、現実にもいますよね。うちの父親にもちょっと似ていて、妙に親近感が湧きました。

 オルトゥスの子である双子のエルピスとアマルもとても愛らしいんですよ。目を離せないやんちゃぶりに思わず笑みがこぼれます。子どもが一番かわいい時期ってこういうものなんですよね。そんな竜親子とのドタバタな日常が楽しくて、ついつい恋人シリウスや姉との確執を忘れそうになっていました。でも冷静に振り返ると、命の恩人をあっさり捨てるシリウスや、第一魔術師団の功績を軽んじる王や公爵の態度はどこか不自然ですね。単なる追放劇に見えて、実はアリアーナもシリウスも大きな陰謀に巻き込まれているのでは?と、勘繰らずにはいられませんでした。

 そしていよいよ真相が明かされるのかと胸を高鳴らせたところで、驚愕の事実が! そう、この物語は前後編構成だったのです! ああ、続きが気になって仕方ないじゃないですか、来月の刊行が今から待ち遠しいです。

文: あいさきゆうじ

ざっくり言うとこんな作品

1)学生時代から両思いなのに勘違いから永遠にすれ違うアリアーナとシリウスの二人のじれったい恋愛模様にドキドキ

2)竜の子育ての手伝いをすることになり、ママと慕われながら可愛い双子と暮らす疑似家族のような生活がほのぼの癒やされる

3)なぜ二人のすれ違いが起こったのか、竜がアリアーナに手を貸したのはなぜなのか、陰謀と愛憎が渦巻くミステリー要素に興味津々

主要キャラ紹介


アリアーナ
レイルズ公爵家の次女で、第一魔術師団の副団長。恋人のシリウスを救うため竜に挑み、命を代償に死に戻りを行うほど、彼を愛していた。

シリウス
リントヴルム国第二王子。第一魔術師団の団長を務めるが、王家特有の病「竜魔症」に罹り瀕死の状態に陥っていた。

オルトゥス
竜谷に棲まう長命の竜。とある条件を課し、死に戻りの短剣と「竜魔症」の薬となる鱗をアリアーナに託す。

  • 読書感想文レビュー
  • あいさきゆうじ

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    そして、あなたは私を捨てる 死に戻り令嬢は竜の王子の執着を知らない 1
    竜の血を引く王族特有の病に罹った恋人のシリウスを救うため、自らを代償に死に戻ったアリアーナ。しかし、回復した彼が自分の姉に愛を告げる場面を目撃してしまう。
    実家の公爵家では蔑まれ、二度目の人生でも恋人を失ったアリアーナは国を出ることに。だが数年後、竜の住む谷で暮らす彼女のもとをある人物が訪れたことで、二人の運命は再び動き始め……。
    聡明で一途な青年だったシリウスはなぜアリアーナを裏切ったのか。彼の秘めたる愛が時を超えて明かされていく。
    柏 みなみ (著者)
    発売日: 2025/09/25
    メディアワークス文庫
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