【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は9月10日発売の『グリーンスライムに転生した俺は、呪われた異世界を緑でいっぱいにするようです。』です。みなさんの感想も聞かせてください!
今や、どんなモノになったとしてもおかしくない(?)異世界転生界隈。自分としてはそれでも人間か、それに近しい種族を希望したいところですが、本作の主人公ときたら、グリーンスライムに転生できて喜んでいるご様子。そこはちょっと自分とは違うなあと思うものの、転生前は人間関係で辛い目に遭ったためか、人への未練はないと言いつつ、それでも出会った人々を助けようとして強敵と戦う姿は、素直に尊敬できました。一見、最弱モンスターっぽいスライムでも、立派に何かを成せるのだと。実際、豊富なスキルを持つ彼は最弱モンスターではありません。我が子のような眷属までスキルで生み出せるのは、ちょっと楽しいかも。でも、やっぱりスライムはなぁ……(笑)。

しかし、枯れ木ばかりの世界を緑でいっぱいにするという主人公の夢を踏みにじる存在はいただけませんね。そのうえ、襲ってくる理由も目的もわからないという理不尽さ。こうした「理不尽」に押しつぶされてしまっては、過労死させられた前世と同じじゃないですか。だったら立ち向かうしかないでしょう。枯れ木ばかりの異世界の謎にも、だんだん手強くなるモンスターたちにも──! と、思わず読んでて力が入ってしまうのもこの作品の魅力のひとつ。

まだまだこの世界は謎だらけですが、それも少しずつ明らかになっていくのでしょう。彼らの旅がどうなるのか、この先がとても楽しみです。
文:瀧田伸也
ざっくり言うとこんな作品
1)目を覚ませば、枯れ木ばかりの森のなか。姿を確認すると、どうやら「俺」は、グリーンスライムとして異世界転生したらしい……。
2)スキルを駆使して眷属や種子を生み出し、少しずつ緑を増やしていると……、緑を枯らそうとする謎のモンスターが襲ってきた!
3)植えた緑やリリーさん、リンドウさんを守り、幸せな未来を築くため、彼らはモンスターと戦いつつ、世界を知る旅を始める――。
主要キャラ紹介
▼俺(主人公)
前世では人間関係に悩まされ続け、過労で最期を迎えてグリーンスライムへと転生。さまざまな種子や木獣の生産や、癒しのスキルが豊富で、世界を緑でいっぱいにするのが夢。

▼リリーさん
主人公がスキルで生み出した、ツリードラゴン。「きゅー」と鳴くしぐさは愛らしいが、ステータスは主人公よりはるかに高い戦闘タイプで、力と素早さが秀でている。

▼リンドウさん
主人公がスキルで生み出した、ツリーワーム。芋虫のような姿で「ぎぃ」と鳴き、土壌改良が得意で嗅覚にも優れているが、戦闘は苦手なようで、ちょっとビビりな性格。

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