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追放された森で行き倒れていた勇者を拾ったら、懐かれた!? 魔王の娘×人間の、種族を超えたロマンス作品です。

ビーズログ文庫
ビーズログ文庫
2025/09/12
魔王の娘ですが、拾った勇者に懐かれました ~禁断の恋? それっておいしいの?~

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は9月12日に刊行された『魔王の娘ですが、拾った勇者に懐かれました ~禁断の恋? それっておいしいの?~』(著:森湖春先生/イラスト:縞先生)です。みなさんの感想も聞かせてください!


 食やグルメをモチーフにした小説が大好きです。作中に登場するおいしそうな食べ物描写に、いつも心が躍ります。暴食姫を主人公にしたこの作品では、どんな料理が登場するのかなとわくわくしながら読み出してみると、のっけからヒロインのベルが人間の勇者を食べたことになっていて、のけぞりました(笑)。「人間が食べ物になる作品は初めてだな」と感心しながら読み進めていくと、この驚きは序の口で、他にもびっくりするような“食材”や珍味が登場します。個人的なお気に入りは、瘴気のせいで強くなり、人間を襲ったり逃げたりする野菜です。畑で野菜を収穫しようとしても人間界の常識が通じず、呆然とするケイトの姿がかわいらしくてたまりません。

 個性的な食べ物描写ばかりを紹介してきましたが、本作でなんといっても感動的なのは、魔族を討伐しにきた人間のケイトと、魔王の娘ベルとの、種族を超えたロマンスです。拾われた恩を感じてベルに人間界の料理をふるまうケイトの姿は、まるで主人に懐く犬のようでほっこりとさせられました。ベルと接するなかで、ケイトは自分が持っていた魔族への偏見を改めていきます。一方のベルは食へのあくなき好奇心を発揮し、ケイトを匿い守ろうと奮闘します。その姿はどこまでも凛々しくてかっこいい。身も心も胃袋も激つよなベルが勇者を拾い、食を通じて魔族と人間の異文化コミュニケーションを行いながら、少しずつ愛を深めていく。よい意味でクセの強い、中毒性の高い唯一無二の世界がたまりません!

『魔王の娘ですが、拾った勇者に懐かれました ~禁断の恋? それっておいしいの?~』より


文:嵯峨景子

ざっくり言うとこんな作品

・魔王の娘×勇者――これってまさか禁断の恋⁉ でも勇者、片方の目を隠していて何か秘密があるみたい……

・何者かの策略で冤罪なのに追放処分。その先で待っていたのは……毒グモに魔獣、未知の食材てんこもりのグルメライフ⁉ おいしく頬張る姿になんだかお腹すいてくる!

・勇者、まさかの忠犬化⁉ 魔王の娘にべったり懐く姿が可愛すぎて胸キュン必至♡

主要キャラ紹介

ベル

ベル
魔王の娘。暴食の悪癖を持つ。面倒見が良く、勇者を拾うことに。ありとあらゆるものを食べるが、魔族だけは食べたことがない。

ケイト

ケイト
勇者。魔王討伐のため地の国へ来た。ひょうんなことからベルと出会い一緒に暮らしている。左目を隠して生活をしているが……

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    暴食姫の名を持つ魔王の娘・ベル。
    勇者を食べたと身に覚えのない罪で、ゴミ溜めの森へ追放されてしまう……しかし彼女は目を輝かせた。
    そう、ベルにとってそこは珍味の楽園だったのだ! 
    心機一転、おいしい追放生活を始めようとした矢先、行き倒れていた勇者を拾ってしまう。
    あろうことか勇者は「そばにいたい」とベルのことを気に入ってしまい!?
    森 湖春 (著者) / 縞 (イラスト)
    発売日: 2025/09/12
    ビーズログ文庫
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