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イマドキJKの裏の顔は、無敵の殺し屋!? 『塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い』の著者の新作は、女の子バディによる会話劇&アクションに注目です!

電撃文庫
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2025/09/10
殺し屋JKとハンバーガー

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は9月10日に刊行された『殺し屋JKとハンバーガー』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 せっかく、『殺し屋JKとハンバーガー』の感想文を書いてよいとメクリメクル編集部からご依頼をいただきましたので、僕しか書けない目線で感想文を記していきたいと思います。

 まず、猿渡かざみは話が面白いのです。

 ここでいう話は物語的な方ではなくて(もちろんどの作品もストーリー展開に紡ぎ方が秀逸なんだけども)、実際のお喋りの方。とにかく話していて楽しい男で、いろんな引き出しを持っているのです。その喋り方がチドリとツバメ、ないしはメジロに憑依しているようで、本作で楽しい会話劇が繰り広げられている要素を読んでは、「さすがだなぁ……」とページを捲る手が止まらないままニヤニヤしておりました。

 そして猿渡かざみは、美味しいご飯に目がないのです。

 雑な飲みからイタリアン、中華、なんなら喫茶店まで、美味しいご飯を食べ始めると、本当に美味しそうな顔をするのです。そして、いろんな界隈のグルメな場所に出没するので、どんどん情報が蓄積されているはず。そんな猿渡かざみですから、ファストフードのハンバーガーであれど本当に美味しそうに描くんだよなぁ……。

 ……となんでこんな文を書いているのかといえば、自分が引っ越した数年前まで猿渡かざみとよくメシを食べていた仲だからです。最近は物理的な距離が遠ざかって減ってしまったものの、新作を読んでは「さすがだなぁ……」とウンウン頷いております。

 本作もチドリとツバメのバディ感がとにかく素晴らしく。最初のダベリから、猿渡かざみの術中にハマってしまいましたよ。もうその没入させ方に感服です。正直、これまで刊行した猿渡かざみ作品の中で、一番好きですよ、これ。

文:太田祥暉

ざっくり言うとこんな作品

・ずっと読んでいたくなるような、チドリとツバメの軽快なおしゃべりが楽しい!

・そんなイマドキJKの裏の顔は、なんと無敵の殺し屋!? 協力し合いながら敵(ヤクザや殺し屋)を倒していく爽快感がたまらない!

・そんな二人が心を安らげる場所はハンバーガーショップ? 地に足のついた、感情移入しやすい展開が面白い!

主要キャラ紹介


チドリ

チドリ
ハンバーガーをこよなく愛する殺し屋。蒸発した父がヤクザに作った借金を返済するため、学校にも行かず働いている。空気が読めず、他人への気遣いも苦手。

ツバメ

ツバメ
フライドポテトをこよなく愛する殺し屋。箱入り娘として育てられたため、ファストフードを食べたことがなかったがチドリのせいでハマる。声帯模写が得意で、どんな人の声色も演じられる。

メジロ

メジロ
殺し屋。変なプライドを持っており、依頼のためならば採算度外視で手間や準備も惜しまない。そのため、業界では干されている。2DCGアバターを用いて仕事の内容を配信する。

マチルダ

マチルダ
伝説の殺し屋。一晩で二百人を殺し、老舗のチャイニーズ・マフィアを壊滅させた伝説を持っている。美形すぎて、実年齢が全く分からない。チドリやツバメに指令を下す立場。

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  • アクション
  • 現代
  • サスペンス
  • 太田祥暉

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    殺し屋JKとハンバーガー
     これは少し変わったアルバイトをする『仲良し』JKチドリとツバメのちょっぴり愉快なお話です。
    「やっぱり育ちの良さってのは笑い方に出ると思うね! ……そういえば私、ツバメの笑顔ってまだ見たことないかも」
    「楽しくなければ笑いませんから」
    「……ああっ、あっ!? ノンデリ発言っ! まるで私と駄弁ってる時間が楽しくないみたいだろっ! スマイルよこせ!」
    「しょうもな……ほらチドリさん、早くこの人たちを片付けますよ」
     二人で無駄話して、しょっちゅう喧嘩して。もちろんきちんと仕事もこなして。最後にはハンバーガーを食べる、そんな彼女たちのお話。殺し屋としても女子高生としても完璧になりたい、彼女たちの青春の一幕。
    猿渡 かざみ (著者) / てつぶた (イラスト)
    発売日: 2025/09/10
    電撃文庫
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