【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は9月12日に刊行された『嫁がされた先は白豚公爵のはずですが?』(著:杓子ねこ先生/イラスト:擽ル先生)です。みなさんの感想も聞かせてください!
侯爵令嬢ウルリカは婚約破棄され、辺境に追放されるのだが、その先に待っていたのは白豚公爵と揶揄されるノアだった。そのノアこそ、魅惑のむちふわボディの持ち主だったわけだが、本書を読み終えた私は一つの事柄に、強く思いを馳せることになる。この世にむっちむちのふわもこが嫌いな人なんておらんでしょ――と。

ウルリカはノア様ボディにもう虜。しかしそれも仕方のないことだ。彼女は令嬢ながら、いわゆる愛嬌は無いが仕事の出来る才女で現代で言うならばバリキャリに当たる女性。そんな人だからこそ、どこかで癒しを求めてしまうのだろうと、深く共感ができた。それどころか、正直ウルリカが羨ましい。私だって、むちふわノア様ソファに身の全てを委ねて、ゆっくりと書に親しみたい! それはきっと素晴らしく幸福な時間であることに、疑いはないのだ。
そんなノア様のボディが、ダイエットによって失われるかもしれないという展開には大いに笑わせてもらった。それと同時に、作中最大の焦りを見せるウルリカの気持ちもよくわかってしまう。ノア様からの癒しがなくなってしまうのだ。死活問題である。だが、彼女が「どんな姿でもノア様はノア様」と想うところに、愛情の深さが感じられて、大変心が温かくなった。癒しだけでなく、確かな愛の物語として胸に残るのだ。
本作はなんとなく社会に疲れている人や、癒しと愛の物語を求めている人たちに強く薦めたい。そんなあなた達のことを、ノア様の大きく、ふとく、そして優しいむちふわボディがすべて受け止めてくれるはず。豊かな包容力のある一作だ。
文:明日香 譲
ざっくり言うとこんな作品
・婚約破棄され嫁がされた先は白豚公爵!? 鉄仮面の侯爵令嬢×ぷにぷに公爵によるWEB発ラブコメ!
・"狼女”と呼ばれた令嬢ウルリカ、(意外にも面倒見の良い)ノアのもとで癒やされていくがその方法が独特で…?
・ぷにぷにな白豚公爵だけどすらっと痩せてイケメンに…!? 衝撃のビフォーアフターはぜひ挿絵で♪
主要キャラ紹介

ウルリカ
婚約破棄を言い渡された侯爵令嬢。狼女という不名誉な異名を持ち、領土の運営や政治面で卓越した辣腕を振るう才女。しかしノアのむちふわボディの前には欲望が爆発してしまう。

ノア
「白豚公爵」という蔑称で呼ばれる貴族。でかく、ふとく、そしてむちふわ。その実態は素晴らしい白き毛並みをもつ羊のような存在だった。彼の身体には特殊体質と、とある秘密が眠っていて…!?
パトリック
マクメル家の令嬢キャロナに篭絡され、ウルリカとの婚約を破棄した王太子。しかしその彼の軽率な行いは、やがて王家の存在を根底から揺るがす一大騒動へと発展していく。
- 読書感想文レビュー
- 恋愛
- ロマンス
- 明日香 譲