目指すは最強の悪役!…のはずが、助けた女の子たちからモテモテに? 第9回カクヨムWeb小説コンテスト《特別賞》受賞の異世界転生ファンタジーが、待望の書籍化!!

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は9月10日に刊行された『凡人呪術師のたのしい異世界悪役プレイ』です。みなさんの感想も聞かせてください!
『悪役っぽいな……ヨシ!』じゃないのよ。
悪役にシビれるアコガれるってのはまあ、百歩譲ってわからなくはないですが、すべての行動原理が悪役っぽいかそうじゃないかって可笑しくないですか?
何がって、主人公粕谷焚人、カスタニ、んーカース? の話ですよ、あーややこしい。転生前の名前が粕谷焚人で、転生後の通常モードがカスタニで、悪役ロールプレイしているときがカースですね。
転生ものなわけですが、カスタニさん、転生前から転生後まで、おはようからおやすみまで悪役に憧れてて、まあ頑張る頑張る。
真面目な性格、いやさバカ真面目な性格なんでせっせと悪役修行して、転生で念願かなって呪術の力を手に入れたら悪役ロールプレイまっしぐら。
悪役っぽいって判断基準で、奴隷環境スタートを歓迎して、自分を殺す主人公候補を育成して、やってることが可笑しいのよ……。
普通、金とか欲望とか世界征服とか目的があって悪役になるもんでしょ?
カスタニさんの場合、所詮は悪役になるための悪役ロールプレイなわけですよ。
それが、縄張りで好き放題されるのは迷惑とか、俺以外の悪役を滅ぼせば俺が最強の悪役とか、無駄に悪役の理想が高くて無駄に能力が高いもんだから質が悪いというかなんというか。
災厄として封印された女の子の呪いを解くわ。
惨殺されて魔力に囚われた一家の呪いを解くわ。
魔術の生贄にされてレイス(幽鬼)となった少女の業を引き受けてかたき討ちするわ。
それで助けた女の子たちからモテモテになってって、やってることが正義の味方なんよ!?
でもちょっと、悪を倒す悪っての、カッコいいんだよなぁ。
それだけカスタニさんの理想の悪役像がカッコいいってことなんですかね、なんか悔しいですが。

文:勝木 弘喜
ざっくり言うとこんな作品
・転生前から悪役に憧れていたカスタニは、異世界でG級ギフトを得て悪役ロールプレイを加速! すべての基準は悪役っぽいかどうか!?
・カースという裏の顔で悪役を始めたカスタニ。縄張りに入り込みヒロインを苦しめる小悪役を蹴散らし、目指す理想は最強の悪役!
・G級ギフトで呪力に目覚めたカースはまさに呪いの王! 呪術を行使、保管、合成、開発、吸収し、囚われたものを解放していく!

主要キャラ紹介
カスタニ
悪役に憧れる高校生・粕谷焚人(かすたに・たきひと)の記憶を持つ転生者。転生前から真面目に悪役修行に明け暮れ、呪力を得てからは呪いを意味する『カース』を名乗って、悪役ロールプレイを実行。
ナビ
転生直後からカスタニに語り掛ける、女性の声をした謎のナビゲーション。カスタニのことを『プレイヤー』と呼び黒幕系ミステリアスキャラを気取っているが、その実ポンコツ。
ホワイト
洞窟に封印されていた、世界を滅ぼす【七つの災厄】の一つ神造兵器"支配の騎士"。白髪のノースエルフだったことから、解呪したカスタニに『ホワイト』と命名され服従を誓う。
スノウ・フォン・リヒテ
公爵家の一人娘で、S級ギフト"精霊術師"の持ち主。転生者の一人で、魔術騎士団に参加する傍ら転生した元クラスメイトを探している。行方不明者の捜査中にカースと遭遇する。
- 読書感想文レビュー
- 異世界
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関連書籍
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凡人呪術師のたのしい異世界悪役プレイモブな高校生・粕谷焚人(かすたにたきひと)はクラスメイトの身代わりとして女神に呪われ、異世界に奴隷として転生してしまう。
唯一の力は最弱にして最下位の転生特典、G級ギフト【呪術】のみ。
(女神に呪われた奴隷……悪役っぽいな! ヨシ!)
彼は悲観する事なく、謎の黒幕ミステリアス系ナビゲーションを自称する《ナビ》と最強の悪役を目指しノリノリで異世界を突き進む!?
思い込みの激しい美少女達にある事ない事を吹き込んだりしていたら《呪いの王》として崇められたり、最終的にはもう神殺しをしないといけなくなったり……。
これは、最強のアホがすべての厄災イベントを飲み干し、周りに勘違いされたままノリと勢いで無双してしまう話。発売日: 2025/09/10電撃文庫

