二周目の学園生活も悪役ムーブ!? 全ては一周目の人生で味方をしてくれたあの子のために…

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は8月8日に刊行された『悪役ムーブで青春リスタート！ 悲劇のヒロインを金と権力で救い出す』です。みなさんの感想も聞かせてください！

――いやぁ、2014年の4月に戻って人生をやり直したい！　今から11年前、僕は高校三年生に上がった頃で、小説投稿サイトに雑文を書いていたり、アニメを観まくっていたりしたころ。それが今の仕事に結びついているのだから結果オーライではあるが、オタク活動に精を出した結果、彼女にも振られ、第一志望の大学には出願することができないほど成績が下がってしまっていた。仕方がない、リアルタイムで深夜アニメを観ていたら、授業中眠くて勉強どころではないからね。

　とはいえ、そんな高校生活をやり直すのであれば（ここでは本作準拠で高校一年生、2012年4月とさせてください）、まず話しかけてきたギャルとの関係を正したり（色々ありました）、オタクであることをひた隠したりして、清い青春ライフを送ってみたかった！　それはそれで居心地が悪かったり、本作のように運命の因果によってヒロイン――関わらないと言っていたギャルと何かしらの関係が生まれてしまったりする可能性はあるのですが……。

　にしても本作、いずれ取り違え子であることが発覚し、家から追い出されることが確定しているわけで。そんな未来が待ち受けていると分かりきっていると、自分ならばそんなに好きな子のことばかり気に掛けられないはず。それだけに主人公の強い姿に憧れすら感じてしまいました。これだけ可愛いヒロインをメイドにできるのもいいな……。俺も同級生のメイドが欲しい人生だった……。

文：太田祥暉

ざっくり言うとこんな作品

・内部進学生が優遇される学園で行われる、あまりにも気持ちいい悪役ムーブ！

・悪役ムーブの目的が変わったことで、一周目の青春とは変わっていく人間関係。

・とにもかくにも無双し続ける主人公の活躍に要注目！

主要キャラ紹介

九蒸飛一（くじょう・ひいち）
10年前からタイムリープしてきた九蒸家の御曹司。
金と権力を活用し、二度目の青春は灰璃を救うために使うと誓う。特技は買収。

叶宇灰璃（かなう・はいり）
学園の銀バッジ生徒。タイムリープ前の世界では飛一のメイドだった。
しかし後に、悲劇的な運命を辿ることになる。

武堂龍実（ぶどう・たつみ）
学園の銀バッジ生徒。バスケ部所属。
金バッジの生徒や飛一に対して強い敵対心を持つ。聖華とは幼馴染。

雪森聖華（ゆきもり・せいか）
学園の銀バッジ生徒。龍実の幼馴染。
灰璃とは、最初に声をかけたことをきっかけに友人となる。隠れゲーマー。