【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はスニーカー文庫から4月1日に刊行される『無限の魔術師 魔力無しで平民の子と迫害された俺。実は無限の魔力持ち。』(著者:レオナールD/イラスト:ye_jji)です。みなさんの感想も聞かせてください!
主人公のレストは、前世でも転生した先でもとにかく不幸な生い立ちなのだ。前世ではギャンブル依存の父親に苦しめられ、転生した先では優しい母親の元に生まれたと思ったら、父親のほうは身分こそ貴族で宮廷魔術師なのにクズ中のクズ。レストが「魔力無し」と知るとあっさり見捨ててしまうというひどさだ。
なんという不幸。もう冒頭からレストに感情移入しっぱなしで、思い切り彼を応援している自分がいた。母親が死に、父親の家に引き取られたあとも、家畜以下の扱いを受けつづけるレスト。でもレストは大魔術師の才能に溢れていることがのちに判明! これまであまりに不幸すぎたから、素直に「良かったな」と言ってあげたくなる。

ただしこのレスト、チートな力の持ち主ではあるけれど、ちゃんと努力して魔力の腕を上げ、成長していくのだ。その過程がしっかり描かれているところにも好感が持てる。天才って実は人一倍努力をしているというけれど、レストもまさにその一人かもしれない。
さらにレストが双子の美人姉妹(ヴィオラとプリムラ)に同時に見初められる展開は羨ましいけれど、嫉妬するというよりはこの三角関係の行方を見守りたくなる。自分も双子とはいわないけれど、一人で十分だから美少女に惚れられて「頑張って!」と言われてみたい! そしたら死ぬほど努力しちゃうんだけど……と、自分勝手な妄想が広がってしまうところも本作のいいところなのだろう。

文:中島泰司
ざっくり言うとこんな作品
1)貴族と平民の間に生まれた主人公が、大魔術師になりうるほどの才能を爆発させ、見事に逆境を乗り越えていく痛快なストーリー
2)双子の美少女に同時に好かれ、グイグイと迫られる主人公! どっちを選ぶ? もしかして両方とも嫁に? そんなラブコメ的展開に大興奮!
3)チートとはいえ、戦いにも負けることもあるし、辛い修行にも耐える。無双の存在になるために必死に努力を続ける主人公の姿に感動!
主要キャラ紹介

真ん中:レスト
親兄弟に虐げられた幼少期を経て、魔法の才能を開花させる14歳。
右:ヴィオラ
ローズマリー侯爵家の娘。社交的な性格で誰とでも仲良くなれるが、妹が怖がるので男友達はいない。
左:プリムラ
ヴィオラとは双子で妹にあたる。大人しい性格で、姉より大きな胸がコンプレックス。
- チート
- 中島泰司
- 成り上がり
- 読書感想文レビュー
関連書籍
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無限の魔術師 魔力無しで平民の子と迫害された俺。実は無限の魔力持ち。無限の魔力を持って転生した少年レスト。とある理由から魔力なしと偽り迫害に耐える日々を過ごしていたが……宮廷魔術師の娘ヴィオラとプリムラの命を救ったことで人生が一変する!
「彼の血を引く子を一人でも多く産んでもらうことがローズマリー侯爵家の……そして、この国の繁栄につながるでしょう」
天才魔術師の素質、そして姉妹の婿として認められたレストは住み込みで王立学園入試に向けた修行の日々を過ごすが……磨き上げられていく才能は規格外の魔物を倒し、理外の魔法を開発するなど誰もが予想だにしない偉業を成し遂げ!?
最強の魔力で全てを手にする――無限の成り上がり譚、開幕!発売日: 2025/04/01角川スニーカー文庫