【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は8月12日発売の 『冥婚相談所 貧乏道士と死ねない軍人』です。みなさんの感想も聞かせてください!
冥婚。簡潔に言えば生者と死者、もしくは死者同士を結婚させる風習です。赤い封筒を通りがかりの人に拾わせる某国のそれが有名ですが、現代日本でも別形式の物がごく一部の地域で行われているそう。とはいえ、今この記事を読まれている皆様には身近ではない風習といって過言ではないと思います。
ところがこの作品の世界では、冥婚が多数取り行われています。それだけでもだいぶ怖いですが、なんと冥婚を悪用した詐欺も多数。それこそ近頃、筆者も近しい身内が旅立ったばかりで、その瞬間の気持ちというのはとても分かります。当然悲しいんです。ところが死人がそこから冒涜される事態になるわけで……想像したくもないですが、そんな状況になったら怒りを抑えきれないと思います。
そんな冥婚関連のトラブルを解決するのが冥婚相談所の主たる白蘭と、客として相談所を訪れた軍人の武豪。白蘭ってなんとなく胡散臭い人で、生粋の軍人たる武豪は最初白蘭のことを疑ってかかるんです。でも、そんな白蘭が経験と推理力で事件を解決するのが、雰囲気とのギャップもあってめちゃくちゃかっこいいんです!
それを見て武豪も力量を認めるのみならず、最後は「武力じゃ解決できなさそうな事件だから白蘭先生を連れていくか」と自分から声を掛けるくらい信用するように……完全にデレましたね!? 一見正反対の二人が意外と相性良くて萌えるんですよ!
恐ろしいことが平然と行われる作中において、この二人の関係性はかなり癒しでした。中華ファンタジー好きのみならず、関係性のオタクにもオススメしたい1冊です!
文:沙藤克広
ざっくり言うとこんな作品
1)死者の婚礼である冥婚を巡り、人が死んだり怪奇現象が起きたりと、予想だにしないトラブルが発生するミステリ。
2)いろいろありつつも、冥婚関連のトラブル解決に協力して乗り出す冥婚相談所店主白蘭と武豪の関係性が面白い。
3)冥婚そのものだけでなく、死者を冒涜されて傷ついた生者も何をしでかすか分からず、また同様に恐ろしい……。
主要キャラ紹介
▼芳白蘭(ファンバイラン)
冥婚相談所を営む万年金欠の男性店主。女性と見間違うばかりの容姿を持ち、怪しげな雰囲気をまとっているが、内面は真面目で仕事にはきっちり取り組むタイプ。
▼燕武豪(イェンウーハオ)
軍の特派隊に所属する非常に生真面目な男。階級は少尉。殭屍が出るという村へ調査に行ったあとなぜか記憶喪失になり、偶然見つけた白蘭の相談所の門扉を叩いた。
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