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現代日本を舞台にド田舎ローカルヒーローがまさかの世界的英雄へ──カクヨム年間総合ランキング1位も納得の胸アツ作品がついに書籍化

カドカワBOOKS
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2025/08/08

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は8月8日発売の『住んでる場所が田舎すぎて、ダンジョン探索者が俺一人なんだが?』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 人々の目に触れたら確実に賞賛されるであろう実力を持っていながら、地位や名声に固執せず仕事に打ち込む人って、ストイックでカッコイイと思います。片田舎の地元を一人で守り続ける本作の主人公・創もそういうキャラクター。やがて彼は世界の脅威と対峙することになるのですが、より強く印象に残ったのは、彼の実力と性格のギャップでした。

 創はダンジョン探索者としてドラゴンすらソロで倒す実力者なのに、一度戦場を離れたら、彼女もおらず、ただただ同級生とくだらない話を楽しむ普通の高校生。他者を圧倒する主人公って、憧れると同時にどこか遠い存在に感じてしまうこともあるものですが、創はキモオタムーブをかますなど、ダメなところもちゃんとあります。なので日々自分の欠点に悩まされている私としては「この人もこんなことするのか」とホッとして、気づけば親しみを覚えていました。

『住んでる場所が田舎すぎて、ダンジョン探索者が俺一人なんだが?』より

 私には創のような際立つ能力はありません。それでも創も私と同じように小さなことで悩んだり落ち込んだりすると気づいたとき、自然と彼の置かれた環境に思いを馳せていました。大きな怪我はしょっちゅうで、窮地に立たされても助けてはもらえない。こんな状況が辛くないわけはなく、私なら耐えられないと思います。だから逆に彼がどれほどの覚悟を持って仕事をしているかが想像できてしまい、強い敬意を抱かずにはいられませんでした。

 超人に見えるヒーローもひとりの人間なんですよね。誰かに笑って欲しいから、辛く苦しい仕事でも頑張れる。義務感や使命感より、守りたい人の顔が思い浮かぶから踏ん張りがきくのでしょう。そんなことがあるわけないのは承知の上ですが、もしも創に手を差し伸べてもらうことがあるのなら、そのときは一方的に持ち上げて遠巻きにするのではなく、素直に感謝を伝えたいなと思いました。


文:波樹 葉音

ざっくり言うとこんな作品

1)Aランク探索者の実力は伊達じゃない! 多彩な方法でモンスターを倒しまくる主人公のかっこよさと、疾走感溢れる戦闘から目が離せない。

2)主人公が力を振るうのは、何よりも自分の住む町を守るため。たったひとつの素朴な願いのために死力を尽くして戦う姿が胸を打つ。

3)主人公が派遣される「三船ダンジョン」にはなぜ強敵ばかりが現れるのか? 創以外の探索者が派遣されない理由は? すべての謎の真相に驚くこと間違いなし!

主要キャラ紹介

▼相馬創(そうま はじめ)
高校2年生にして日本に10人しかいないAランク探索者のひとり。田舎の人材不足ゆえ、つねに単独で「三船ダンジョン」の探索を行う。配信者「のの猫」のガチ恋勢で、時には指示厨と化すことも。

相馬創

▼水瀬七規(みなせ ななき)
創の学校の後輩で、彼を追いかけて新人探索者となる。表情に乏しい美少女だが感情表現自体は豊かで、創への好意を隠そうとしない。彼に女性が近づくとヤンデレっぽくなりがち。

水瀬七規

▼のの猫
ダンジョン配信を行うCランク探索者。ルックスゆえの人気は高いが、あくまで探索者として強くなりたいと望んでいる。鬱陶しいが只者ではない謎のリスナーとして創を認識している。

のの猫

  • 安芸 沙織理
  • 現代
  • 読書感想文レビュー

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    住んでる場所が田舎すぎて、ダンジョン探索者が俺一人なんだが?
    小説投稿サイト『カクヨム』にて年間総合ランキング1位!(2024/11~2025/1時点)
    書き下ろし短編も含めた大量加筆で書籍化!

    ▼あらすじ▼
     ド田舎・三船町唯一の探索者である相馬創。世界最上位クラスの力を持ちながらもその活動拠点ゆえに無名な彼は、ダンジョンの異変に対応したり、後輩の指導をしたり、多忙ながらいつも通りの日々を送っていた。
     そんなある日、特殊個体『ナイトメア種』との戦闘をキッカケに、彼はダンジョンの真相、世界の脅威と対峙することになる――。普段は等身大でどこにでも居る青年、地元を愛する『三船の守護者』の名が世界に知れ渡る!
    赤月 ヤモリ (著者) / タカヤマ トシアキ (イラスト)
    発売日: 2025/08/08
    • ファンタジー
    • バトル
    • 現代
    • カクヨム
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