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過酷な環境だからこそ深まる絆なのかも――傭兵に身を投じる少女と先輩の、そんな行く先を見守りたい

MF文庫J
MF文庫J
2025/07/25

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMF文庫Jから7月25日に刊行される『姉妹傭兵』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 たとえばコンビニでも飲食店でも、新しくバイトを始めようと思ったら、やっぱり緊張しますよね。仕事は難しいのかなとか、人間関係とか、心配事もたくさんで。とまあ、普通のバイトでも割と大変なのに、凛子が選んだのは、よりにもよって傭兵稼業。いや、まず「生き残れるか」を心配しないといけない職場とか、絶対イヤなんですが!?
 ろくに訓練も受けてない状況で、いきなり職場(海外の紛争地帯)デビュー。バイト仲間とは言葉すら通じなくて、まともに頼れるの先輩はひとりだけ。そして業務内容は、敵兵と命の奪い合い……。ホント、無理ですって。それに比べれば、今の自分のお仕事は最高、天国ですよハイ(笑)。

『姉妹傭兵』口絵

 理由は人それぞれでしょうが、水崎さんや凛子をはじめ、傭兵という生き方を選んだ人々には、なんとも言えないすごさを感じます。仲間はおろか自分さえ、いつ命を落とすかわからない。生きるためには、相手を殺さなくてはいけない。
 ただ、とても過酷な環境であるからこそ、人とのつながりは、いっそう強くなるのかもしれません。水崎さんと凛子のように。紛争のまっただ中でありながら、序盤のドライなやりとりから、次第にふたりの親密さが深まっていく様子は、心があたたかくなります。そして、水崎さんや他の傭兵の教えをまたたく間に吸収し、傭兵としてメキメキと成長していく凛子のたくましさには感心もしつつ、圧倒されるばかりでした。ふたりの戦いがいかなる結末を迎えるのか、ぜひ実際に読んで確かめてください。

文・瀧田伸也


ざっくり言うとこんな作品

1)逃げるように親元を離れ、フリーター生活を続けていた伊澄凛子。彼女はネットで見つけた、民間軍事会社の面接を受けるが……?

2)面接結果は、まさかの合格。彼女の適正を試した水崎渚とともに、凛子は翌月からいきなり傭兵として、海外の紛争地帯へ――

3)現地で訓練を受けながら、少しずつ傭兵稼業に慣れていく凛子。死と隣り合わせの世界で、ふたりはより危険な任務へ身を投じてゆく

主要キャラ紹介

▼伊澄凛子(いすみ・りんこ)
バイトの掛け持ち生活を続けてきた、体力自慢の少女。一度教えられた事はすぐに実行でき、最初は話せなかった外国語でも、現地生活で習得できたりと、適応力がとても高い。

『姉妹傭兵』伊澄凛子

▼水崎渚(みずさき・なぎさ)
民間軍事会社・ArmorLink社所属の傭兵。元は自衛隊だった。凛子にとっては、さまざまな事を教えてくれる、姉のような存在だが、乗り物は大の苦手で、すぐに酔ってしまう。

『姉妹傭兵』水崎渚

  • バトル
  • ミリタリー
  • 瀧田伸也
  • 現代
  • 読書感想文レビュー

関連書籍

  • 姉妹傭兵
    姉妹傭兵
    伊澄凛子、十七歳。職業は――新人傭兵。
    バイト感覚で民間軍事会社に応募した私はベテラン傭兵の水崎渚さんと共に異国の紛争地帯に放り込まれた。
    土地勘もなく言葉も文化も異なる地で、銃の撃ち方や携帯糧食の開け方、他人との距離の取り方まで、私は全てを水崎さんに教わり“この場所で生きる”ことを学んでいく――。
    私たちは戦争の本筋に関わらないし、歴史を変える使命だってない。
    戦場の片隅で与えられた任務をこなし、食事を分け合い、オフの日には渋谷でパフェを食べながら、ただただ今日を生き延びていく。
    これは世界のどこかにあるかもしれない日常の一幕。
    血縁ではないけれど互いを信じ合う私たちの――姉妹生活小説。
    三河ごーすと (著者) / kappe (イラスト)
    発売日: 2025/07/25
    • アクション
    • 現代
    MF文庫J
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