【新作文庫先読み感想文レビュー】
今回は7月25日に刊行された『朧国五神恋物語 龍の初恋』(著:巻村螢/イラスト:白谷ゆう)です。みなさんの感想も聞かせてください!
根強い人気のあるジャンルに、中華風世界観のファンタジー小説がある。今流行り、ということでもなく、どの年代を見てもヒット作のあるくらい読者がい続けているジャンルなのだが、どうしてもその世界に入ったことがない人間からすると「少し単語が難しいのではないか」とか「宮中の設定が分かりにくい」など、とっつきにくさがあるのも事実だ。平安時代が舞台の物語であれば学校で学んだ日本史の知識が使えるものの、中華風ともなるとそうもいかない。しかも厳密に史実に沿っているわけではなく、あくまで中華風というのがミソだ(異世界転生ものが史実に沿った中世ヨーロッパを舞台としておらず、あくまで独自世界観というのと一緒)。
かくいう自分も、ライトノベルの書評などを書いている身分でありながら、あまりこのジャンルに親しみがない。ヒット作を読んではいるけれど、それくらい。あまり食指が伸びないジャンルだったのだが――本作はどんどんと読み進めることができた。何故かといえば、「運命をも超えた二人のラブロマンス feat.そんな主人公を目の敵にした寵妃」という構図の物語なのだから!
物語を読み進めていくと飛び出てくる展開の数々にも驚くものの(いや、本当に驚かされた)、内容自体はド直球のラブロマンス。運命を超えた二人の惹かれ具合に、もうページを捲る手がどんどん早く(ちゃんと文章は読んでいるが)なっていくというもの……。最初に触れた、とっつきにくさなどすぐに吹っ飛んでしまうこと間違いがない、至高のラブロマンスだ。
文:太田祥暉
ざっくり言うとこんな作品
・生贄にされそうになった蘭朱霞を助けた謎のイケメン・蒼。蒼は初対面のはずの彼女を大事に扱っていくのだが、その二人の間には隠された縁が……!?
・商人でありながら、村の保長代理をしている蒼。女性には基本的に塩対応な彼だが、蘭朱霞に見せる優しさは本物。そのデレにとても病みつきになる!
・蘭朱霞と蒼の恋を引き裂く、皇帝の寵妃・貝貴妃。彼女の妨害を受けながらも、生き生きと自らの恋に向かっていく蘭朱霞の姿が美しい!
主要キャラ紹介
蘭朱霞
赤髪の宮廷巫術士。貝貴妃によって、いきなり国家鎮護と朱雀神請来祈願のための供物として鬼に捧げられてしまう。しかし、そこを蒼に助けられて……。
蒼
紺色の髪が似合う好青年。皇都の東にある健陽県の外れにある村の保長代理を務めている。訪れた鬼門山で蘭朱霞を発見し、村へと保護した。
貝貴妃
多数の侍女を連れている皇帝の寵妃。何故か蘭朱霞を目の敵にしており、彼女に花嫁衣装を着せた上で供物として鬼門山へと送ってしまう。
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